シラバス参照

講義概要/Course Information
2024/05/04 現在

科目基礎情報/General Information
授業科目名
/Course title (Japanese)
知能情報特論(H27年度以前入学生)
英文授業科目名
/Course title (English)
Advanced Intelligent Information Systems
開講年度
/Academic year
2019年度 開講年次
/Year offered
全学年
開講学期
/Semester(s) offered
後学期 開講コース・課程
/Faculty offering the course
博士前期課程、博士後期課程
授業の方法
/Teaching method
講義 単位数
/Credits
2
科目区分
/Category
大学院専門教育科目 - 専門展開科目
開講類・専攻
/Cluster/Department
情報・通信工学専攻
担当教員名
/Lecturer(s)
沼尾 雅之
居室
/Office
西9-807
公開E-mail
/e-mail
numao@cs.uec.ac.jp
授業関連Webページ
/Course website
www.nm.cs.uec.ac.jp
更新日
/Last update
2019/05/04 14:35:29 更新状況
/Update status
公開中
/now open to public
講義情報/Course Description
主題および
達成目標(2,000文字以内)
/Themes and goals(up to 2,000 letters)
(a) 主題
   記号処理とは,数式処理,記号論理学,知識の表現と推論,自然言語処理,画像理解,文書処理などといった,数値処理ではできない,より人間の知性に近い領域を扱うものです.たとえば,ある方程式の近似解をニュートン・ラプソン法で求めるのは数値処理ですが,解の公式などを用いて,解を式の形で導出するのは数式処理です.計算機は,数値微分や数値積分など,数値解として問題を解くのは得意ですが,人間が考えるように式を記号列として扱うためには,記号処理に向いたプログラム言語で問題を記述してあげる必要があります.
   本講義では,LispとPrologという代表的なプログラミング言語を用いることによって,記号による問題の表現とその処理法について学ぶ.2つの言語に特有なプログラミング技術を実習することによって,記号処理問題のプロトタイピングができるようにする.さらに,両言語のCやJavaなどの手続き型言語との違いを理解し,それぞれの言語の理論的背景についても洞察する.

(b) 達成目標 
(1)記号処理と数値処理の違いを理解する
(2)記号による問題の表現法を理解する
(3)LispとPrologのプログラミングスタイルの違いを理解する
(4)LispとPrologによる簡単なプログラミングができる
(5)記号処理の代表的な問題について理解する
前もって履修
しておくべき科目(1,000文字以内)
/Prerequisites(up to 1,000 letters)
離散数学. プログラミング通論
前もって履修しておくこ
とが望ましい科目(1,000文字以内)
/Recommended prerequisites and preparation(up to 1,000 letters)
プログラム言語論,人工知能論
教科書等(1,000文字以内)
/Course textbooks and materials(up to 1,000 letters)
おおよそ次の参考書に従うが,購入しなくても理解できるように講義する予定.
  猪俣俊光・益崎真治「Scheme による記号処理入門」(森北出版)
  W. F. Clocksin , C. S. Mellish ,“Programming in Prolog”, Springer

授業内容と
その進め方(2,000文字以内)
/Course outline and weekly schedule(up to 2,000 letters)
(a) 授業内容
第1週 知識情報処理の概要
第2週 記号処理のためのデータ構造
第3週 記号処理プログラミングの基礎  
第4週 リスト処理 リストの構成および生成・参照などの操作方法
第5週 数式処理 簡単な数式処理プログラミングによる記号処理の基礎
第6週 推論の基礎(1) プロダクションシステム  
第7週 推論の基礎(2) ゲーム探索法 
第8週 LispによるLispインタプリタ
第9週 Prolog の基礎
第10週 Prolog によるリスト処理
第11週 論理と述語
第12週 PrologによるPrologインタプリタ
第13週 自然言語処理算
第14週 制約充足問題
第15回 期末試験とその解説

(b) 授業の進め方
 講義中心であるが,プログラミング言語は,自分で書いてみて初めて本当に理解できるものである.したがって,JEDの計算機環境を使って学習した言語でプログラムを作成してみる実習もする予定である.言語はLisp系としてはGuileを,Prolog系としてはGnu Prologを用いる予定である.また,実習レポートも数回課す予定である.
実務経験を活かした
授業内容
(実務経験内容も含む)
/Course content utilizing practical experience
IBMにおけるLisp,Prologなど人工知能言語の開発環境の研究開発に携わった経験を基に,プログラミング言語の計算モデルとその応用分野についての理解を進める
成績評価方法
および評価基準
(最低達成基準を含む)
(1,000文字以内)
/Evaluation and grading
(up to 1,000 letters)
(a) 評価方法
  出席とプログラム作成レポートで評価する.期末試験もレポート形式で行う予定.

(b) 評価基準
  以下の到達基準をもって合格の最低基準とする.
(1)記号処理と数値処理の違いを理解する
(2)記号による問題の表現法を理解する
(3)LispとPrologのプログラミングスタイルの違いを理解する
(4)LispとPrologによる簡単なプログラミングができる
(5)代表的な記号処理問題を理解している
オフィスアワー:
授業相談(1,000文字以内)
/Office hours(up to 1,000 letters)
西9号棟,807号室,原則として水曜または木曜の5時限ですが,他の日時でも対応可能です.事前に必ずメールや電話などによりアポイントメントを取ること.
学生へのメッセージ(1,000文字以内)
/Message for students(up to 1,000 letters)
  記号処理問題は人工知能とともに発展してきました.計算機を人らしくふるまわせるための技術は,数値計算とは全く異なる分野です.PrologやLispは,人工知能言語としても使われますが,一方,新しい問題を簡単に表現して解いてみるためのプロトタイピングに向いています.記号処理問題やその言語を理解しておくことは,今後皆様が新しい問題にチャレンジするときにかならず役立つと思います.
その他
/Others
特になし
キーワード
/Keywords
Lisp,Prolog,Scheme,命題論理,述語論理,数式処理,自然言語処理,探索