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講義概要/Course Information
2024/04/28 現在

科目基礎情報/General Information
授業科目名
/Course title (Japanese)
センシング工学特論(大学院連携科目)
英文授業科目名
/Course title (English)
Advanced Sensing Technology
科目番号
/Code
GSEb01f GSEb01g
開講年度
/Academic year
2019年度 開講年次
/Year offered
4
開講学期
/Semester(s) offered
後学期 開講コース・課程
/Faculty offering the course
授業の方法
/Teaching method
単位数
/Credits
2
科目区分
/Category
開講類・専攻
/Cluster/Department
担当教員名
/Lecturer(s)
高橋 弘太
居室
/Office
西2-627
公開E-mail
/e-mail
高橋弘太<kota.t@uec.ac.jp>
授業関連Webページ
/Course website
なし
更新日
/Last update
2019/02/27 15:59:40 更新状況
/Update status
公開中
/now open to public
講義情報/Course Description
主題および
達成目標(2,000文字以内)
/Themes and goals(up to 2,000 letters)
学部の「信号処理論」で学んだ理論や技術を,信号の複数チャネル化という方向に
発展させる.

 達成目標:講義で紹介する音源定位問題や信号分離問題について,各手法の
本質を理解し,長所と短所を知り,必要なときに適切なアルゴリズムを選べる
ようにすること.また,自分でプログラムを組んでシミュレーションを行うこ
とができるようになること. 

Themes: Signal parameter estimation and signal separation
Language in lecture: Japanese
Teaching methods: Talk with writing on the blackboard
前もって履修
しておくべき科目(1,000文字以内)
/Prerequisites(up to 1,000 letters)
線形代数学,信号処理論. 
前もって履修しておくこ
とが望ましい科目(1,000文字以内)
/Recommended prerequisites and preparation(up to 1,000 letters)
無し. 
教科書等(1,000文字以内)
/Course textbooks and materials(up to 1,000 letters)
教科書は用いない.関連する論文や本を講義の中で随時紹介する.
なお、参考文献のリストを講義中に配布する。
授業内容と
その進め方(2,000文字以内)
/Course outline and weekly schedule(up to 2,000 letters)
(a)内容

 多チャネル信号処理の代表的な問題である「信号のパラメータ推定問題」と
「信号分離問題」の2理論をとりあげ,信号処理論では触れられなかった技術
や,最新の研究成果を紹介する.

「信号のパラメータ推定問題」では,複数の信号源から放射される信号を複
数のセンサで受信し,受信情報から信号源の位置などのパラメータを推定する
問題を取り上げる.例えば,マイクロホンアレイによる音源定位や,(受動的)
ソナーの問題がこれにあたる.本講義では,この問題を解く様々なアルゴリズ
ムを,互いに比較しながら紹介していく.

一方の「信号分離問題」は,混合した信号から,原信号の波形を分離する問
題である.この問題は,カクテルパーティー効果(我々人間が,ざわついた部
屋でも個々の声を聞き分けられるという機能)を数理統計理論を駆使して解こ
うとする問題として,ここ数年,大きく研究が進歩した分野である.本講義で
は,この問題の理論的な基礎と具体的手法を話したい.

  第1部 信号のパラメータ推定問題
      1.問題設定(第1回)<データの分析>,
               音源定位問題(第2回)<複素数と複素平面>
          2.ビームフォーミング法(第3回)<図形と方程式>
      3.スペクトル推定法(第4回),最大エントロピー法(第5回),
               ARモデル(第6回)
         4.最尤法 (第7回)<正規分布と多次元の正規分布、尤度関数、対数関数> 
           5.固有空間法(第8回)<固有値問題>,MUSIC法(第9回),
               MD--MUSIC法(第10回)
          6.ESPRIT法(第11回)<ベクトルと行列、固有値分解、特異値分解、
                                  一般化最小二乗法> 
           7.WSF法(第12回)

   第2部 信号分離問題
      1.問題設定,カクテルパーティー効果 (第13回)<データの分析>
      2.信号の独立性に基づく信号分離,信号分離と高次統計量(第14回)
                <確率論と統計論、正規分布>
      3.学習による信号分離(第15回)

(b)進め方

問題の基礎として,特異値分解,一般化逆行列,最小2乗法
などの数学理論について,応用的見地からそれら概念の本質的な重要性を理解
してもらうことも目指す. 

パワーポイントを使った先進的な講義形式が増えていると思うが,
本講義はあえて,黒板を使った講義形式を採用する.

黒板にひとつひとつ式や概念を書きながら,講義者と受講者がひとつひとつの
事項を確認しつつ進めていく講義法は,良い講義法ではなかろうか.
そのメリットを活かして,授業中に理解してもらうことをめざしたい.

(c)授業時間外の学習

予習、復習をするよりも、授業時間中に気力を集中させて理解してしまうこと。


Part 1 Estimation of signal parameters
    1. Problem setting
       Sound source localization
    2. Beam forming method
    3. Spectral estimation method ,
       maximum entropy method,
       AR model
    4. Maximum likelihood method
    5. Eigenspace method,
       MUSIC method,
       MD-MUSIC method
    6. ESPRIT method
    7. WSF method
Part 2 Signal separation
    1. Problem setting, cocktail party effect
    2. Signal separation based on independence,
       signal separation and higher order statistics
    3. Signal separation by learning algorithm
実務経験を活かした
授業内容
(実務経験内容も含む)
/Course content utilizing practical experience
授業時間外の学習
(予習・復習等)(1,000文字以内)
/Preparation and review outside class(up to 1,000 letters)
予習は不要.復習に時間を割いて欲しい.1回の講義に対して1時間程度の復習をすすめる.また,レポート作成時にも復習を行うことになるであろう.
成績評価方法
および評価基準
(最低達成基準を含む)
(1,000文字以内)
/Evaluation and grading
(up to 1,000 letters)
講義で紹介したアルゴリズムを用いて, 実際の視聴覚データに対し信号
分離を試みてもらうなど,諸君にとっても,採点者にとっても 興味深いも
のにする予定である.

最低達成基準を明確に記述した課題を,学期末に与える. 
その基準を満たしたレポートが提出された場合に単位を与える。

オフィスアワー:
授業相談(1,000文字以内)
/Office hours(up to 1,000 letters)
水曜4限.西2ー629.ただし,今後,変更の可能性もあるので,
メイルで時間の問い合わせをして下さい.
短い質問は授業終了後も歓迎します.
学生へのメッセージ(1,000文字以内)
/Message for students(up to 1,000 letters)
大学院生にもなれば,もはや「教室に座って講義を聞く」などという受け身
の勉強方法に重点をおくのは望ましくないとの考えかたもあろう.私もその考
え方に賛成である.したがって,講義は,自主的に勉強するための「きっかけ」,
または,すでに勉強したことの「整理」と,とらえて欲しい.本講義が信号処
理の先端技術を勉強するきっかけになれば,あるいは,紹介する手法,または
用いた考え方が,諸君の研究活動に役立てば幸いである.
その他
/Others
無し.
キーワード
/Keywords
到来方向推定,固有空間法,MUSIC法,ESPRIT法,ビームフォーミング,信号分離,独立成分分析