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講義概要/Course Information
2024/04/28 現在

科目基礎情報/General Information
授業科目名
/Course title (Japanese)
化学生命工学実験第一
英文授業科目名
/Course title (English)
Chemistry and Biotechnology Laboratory I
科目番号
/Code
BCH501p
開講年度
/Academic year
2019年度 開講年次
/Year offered
3
開講学期
/Semester(s) offered
前学期 開講コース・課程
/Faculty offering the course
情報理工学域
授業の方法
/Teaching method
実験 単位数
/Credits
3
科目区分
/Category
専門科目
開講類・専攻
/Cluster/Department
Ⅲ類
担当教員名
/Lecturer(s)
三瓶・牧・仲村・畑中・平田・○田中(昌)・*菅
居室
/Office
東6-706(三瓶)、東6-827(牧)、東6-639(仲村)、東6-713(畑中)、東6-635(平田)、西8-405(菅)
公開E-mail
/e-mail
三瓶<gsampei@uec.ac.jp>, 牧<s-maki@uec.ac.jp>, 仲村<atsushi-nakamura@uec.ac.jp>, 畑中<hatanaka@uec.ac.jp>, 平田< shuzohirata@uec.ac.jp>, 菅<suga.t@uec.ac.jp>
授業関連Webページ
/Course website
なし
更新日
/Last update
2019/07/02 09:43:23 更新状況
/Update status
公開中
/now open to public
講義情報/Course Description
主題および
達成目標(2,000文字以内)
/Themes and goals(up to 2,000 letters)
授業の到達目標及びテーマ
[達成目標]
・生命活動の中心と成る生体物質の取り扱いや、有機・無機化合物の合成法や構造解析の基本を習得するとともに、一つ一つの操作の科学的意味や根底に横たわる原理の理解を深める。
・実験記録の書き方およびデータの整理法やデータ解析法、論理的な考察を含む技術報告書の書き方を
身に付ける。
[テーマ]
生物学、無機化学、有機化学、における重要な現象や理論を、実験を通じて検討して理解を深める。
各分野における基本的な実験操作、測定装置の利用法を習得する。
実験ノートやレポートの作成を通じて、理工系の報告書の書き方を習得する。
実験を安全に行うための知識を身につけるとともに、環境保全に対する意識を高める。
前もって履修
しておくべき科目(1,000文字以内)
/Prerequisites(up to 1,000 letters)
実験は総合科目である。すべての必修科目の上に成り立っている。
4学期までのすべての必修科目が履修済みであること。
前もって履修しておくこ
とが望ましい科目(1,000文字以内)
/Recommended prerequisites and preparation(up to 1,000 letters)
理工系教養科目「生物学」「材料化学」「化学とエネルギー」は履修済みが望ましい。
教科書等(1,000文字以内)
/Course textbooks and materials(up to 1,000 letters)
テキスト
生体機能システム実験テキスト
参考書・参考資料等
(1)「生化学実験法」(八木逹彦ほか、東京化学同人)
(2)「有機化学実験」(後藤俊夫訳、フィーザー・ウィリアムソン、丸善)
(3)「化学実験化学講座(全30巻)」(日本化学会編、丸善)
授業内容と
その進め方(2,000文字以内)
/Course outline and weekly schedule(up to 2,000 letters)
授業の概要
 生命科学を支える生物学、有機化学、無機化学に関わる基礎的な実験テーマについて、自ら手を動かして実験を行い、講義で学んだ理論や講義で学びきれなかった実践的項目についての深い理解を得る。実験テーマに関連する安全教育、実験技術、測定装置の利用方法、実験記録の書き方、実験結果に基づく報告書の書き方を指導する。
a) 授業の内容 
 二人で一班を構成して15回(補講日を含む)の化学および生物実験を行う。
実験の手順・経過を実験ノートに記録し、毎回授業時間内に実験結果について教員と議論し考察を加える。毎回実験ノートの検査を行い内容が合格すれば検印を行う。またいくつかのテーマについてはレポートを課す。レポートの提出締め切りを厳守すること。内容に不備があれば再提出を指示する。

b)授業の進め方
二人で一班を構成して15回の生物および化学実験を行う。
1回:ガイダンスおよび安全教育
2回~5回(全班同一テーマ)
 2回 アニリンの合成
 3回 アニリンの水蒸気蒸留による精製とアゾ染料の合成
 4回 アゾ染料の物性測定
 5回 Fischerエステル化反応による酢酸エチル合成
6回~14回(班を3つのグループにまとめ、グループごとに下記9テーマの実験を行う)
 6回 ヘキサアンミンコバルト(III)塩化物の合成と電子スペクトル
 7回 2-メチル-2-ブタノールの脱水反応
 8回 プラスミドDNAの調製
 9回 ナイロン66の合成
 10回 カロテンの抽出と分離
 11回 プラスミドDNAの制限酵素による切断と電気泳動による分離
 12回 グリニャール反応によるトリフェニルメタノールの合成
 13回 定性反応とNMRによるカルボニル化合物の構造決定
 14回 プラスミドDNAの紫外吸収スペクトル
 15回:レポート指導および補充実験
実務経験を活かした
授業内容
(実務経験内容も含む)
/Course content utilizing practical experience
授業時間外の学習
(予習・復習等)(1,000文字以内)
/Preparation and review outside class(up to 1,000 letters)
 実験科目であるから、事前の実験の計画(予習)は必須である。また実験の基礎となる理論、反応、分析法も理解しておくべきである。テキストの予習問題や質問に対する答えも考えておくこと。これらが不十分だとノート検印を行わないこともある。実験終了後もノートの不十分なところを補い完成度を高める。これらを十分行ってからレポート作成にあたるのがよい。なお、ノートやレポートの作成については、評価基準の項目を参考にすること。
 実験テーマによってはWebClass(https://webclass.cdel.uec.ac.jp/)で予習教材が準備されているので、必ず予習問題を解いておくこと。
成績評価方法
および評価基準
(最低達成基準を含む)
(1,000文字以内)
/Evaluation and grading
(up to 1,000 letters)
学生に対する評価
[評価方法]
安全教育を含め14回の実験を行うことと、実験レポートが全て受理されることが合格の最低必要条件。 成績は予習の状況、実験態度、実験ノート、実験レポートを総合して判断する。
[ノートやレポートの評価方法]
(実験後のノートチェックの際は、少なくとも*をつけた項目をチェックする予定である。)
・目的や理論が的確に示されているか。(*)
・実験操作(実際に扱った数量、例えば温度、圧力、時間、容量、重量、モル数、と実際に行った操作)が正確に記載されているか。(*)
・観察事項(例えば反応における、時間経過、温度変化、沈殿、色、臭いの変化)、測定データが十分記録されているか。(*)
・結果(収量、収率、融点、沸点、物質の状態)が正確に記載されているか。(*)
・スペクトル測定、クロマトグラフィーなどの記載が的確であるか。(*)
・データの解析結果、図表やグラフの記載が適切であるか。
・参考文献の引用が適切になされているか。(*)
・テキストの設問に対する答えが書かれているか。(*)
・考察の内容が優れているか。考察では自分なりの考え方や着想が大事である。単なる感想や参考書の書き写しではいけない。考察する観点の例を以下に示す。
1)観察結果や現象の説明。
2) 実験結果の妥当性、信頼性の評価。予想外の結果が得られた場合はどう解釈するか。
3) 実験結果からどのような結論、知見が導かれるか。それらを検証する方法は考えられるか。
4) 結果に不備がある場合は、どのように改善すればよいか。不備がない場合でも操作や装置に改良すべき点はあるか。
オフィスアワー:
授業相談(1,000文字以内)
/Office hours(up to 1,000 letters)
適宜相談に応じるが、事前にメール等でアポイントを取ること。
学生へのメッセージ(1,000文字以内)
/Message for students(up to 1,000 letters)
 講義で学習したことを実践する貴重な時間である。予習・復習をよくして実験内容をよく理解してのぞまないと実験時間が無駄となる。実験装置や分析装置の仕組みと役目、試薬の働き、実験操作の化学的意味、フラスコ内の変化をよく考えて実験し、基礎的なかつ実践的な力を身につけてほしい。
 諸君が行なう実験はすべて既知の事であるが、諸君にとっては初体験の反応や実験操作が多い。既知の実験であっても諸君の新鮮な目で見たら、そこに新しい発見や発想が生まれるかも知れない。
 今を時めく「液晶」技術も、元はと言えばコレステロールの安息香酸エステルの結晶を加熱・冷却した時の奇妙な挙動に端を発する。1888年、オーストリア、プラハ大学のライニッツアーはコレステロールの安息香酸エステルの結晶の融点測定中に、加熱すると無色透明な結晶が一旦白濁液体となり、次いで無色透明液体になり、冷却すると固化直前に虹色に輝くことに気付いた。それが100年後に諸君の携帯電話を飾ることに繋がるとは、ライニッツアーも思いもよらなかったに違いない。リンゴが落ちるのを見てニュートンは万有引力の存在に気付いたという伝説がある。リンゴに限らず、物が地面に落ちるのを見ていたのはニュートン以前に何百億人が見ている筈であるが、「物が地面に落ちるのは物にはそういう性質があるからさ」というのが古代ギリシャ時代以来2000年信じられてきたパラダイムであった。ニュートンはそれをひっくり返したのである。
"Discovery is seeing what everyone else has seen and thinking what no one else has thought."
-Albert von Szent-Györgyi Nagyrapolt-
(A Nobel Prize Laureate and Scientist of Woods Hole Marine Biological Laboratory)
その他
/Others
なし
キーワード
/Keywords
化学実験、生物実験、有機化合物、材料合成、DNA