シラバス参照 |
講義概要/Course Information |
科目基礎情報/General Information |
授業科目名 /Course title (Japanese) |
ロバスト制御工学特論 | ||
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英文授業科目名 /Course title (English) |
Advanced Robust Control | ||
科目番号 /Code |
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開講年度 /Academic year |
2019年度 | 開講年次 /Year offered |
全学年 |
開講学期 /Semester(s) offered |
後学期 | 開講コース・課程 /Faculty offering the course |
博士前期課程、博士後期課程 |
授業の方法 /Teaching method |
講義 | 単位数 /Credits |
2 |
科目区分 /Category |
大学院専門教育科目 - 専門科目Ⅱ | ||
開講類・専攻 /Cluster/Department |
機械知能システム学専攻 | ||
担当教員名 /Lecturer(s) |
金子 修 | ||
居室 /Office |
東3-618 | ||
公開E-mail |
o.kaneko@uec.ac.jp | ||
授業関連Webページ /Course website |
なし | ||
更新日 /Last update |
2019/09/25 15:18:01 | 更新状況 /Update status |
公開中 /now open to public |
講義情報/Course Description |
主題および 達成目標(2,000文字以内) /Themes and goals(up to 2,000 letters) |
制御しようとする際に,制御対象のモデルが正確であれば所望の特性を達成する制御器を設計することができるが,現実のシステムの特性は十分に把握できないのが現状であり,その際には,モデルと対象との間の不確かさの影響が大きな問題となる.ロバスト制御は,モデルに不確かさがあることを陽に意識して,所望の安定性・制御性能を達成する制御理論であり,その実力は多くの実問題で実証されつつある.本講義では,このロバスト制御を修得することを目的とする.そのための既約分解表現などの代数的システム制御理論,それらをべースとしたロバスト制御,そしてロバスト制御の代表であるH∞制御,さらに,そのH∞制御問題などを実際に解く際に有用になる線形行列不等式による設計法について講義を行う.先端の制御理論を習得すること.および,制御対象の特徴と制御仕様を明確に捉え,どのような制御系設計を行うかを発見できる能力を養う.この2点が達成目標である. |
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前もって履修 しておくべき科目(1,000文字以内) /Prerequisites(up to 1,000 letters) |
基礎制御工学および演習,現代制御工学 |
前もって履修しておくこ とが望ましい科目(1,000文字以内) /Recommended prerequisites and preparation(up to 1,000 letters) |
線形代数学第一,第二,解析学 |
教科書等(1,000文字以内) /Course textbooks and materials(up to 1,000 letters) |
教科書: 特に指定しない 参考書: 前田・杉江:アドバンスト制御のためのシステム制御理論,朝倉書店 木村・藤井・森:ロバスト制御,コロナ社 美多:H∞制御,昭晃堂 蛯原:LMIによるシステム制御,森北出版 J.C.Doyle, B.A. Francis and A.R.Tannenbaum, 藤井隆雄監訳:フィードバック制御の理論-ロバスト制御の基礎理論,コロナ社 K.Zhou, J.C.Doyle and K.Glover,Robust and Optimal Control, Prentice Hall 井村:システム制御のための安定論,コロナ社 劉:線形ロバスト制御,コロナ社 児玉・須田:システム制御のためのマトリクス理論,計測自動制御学会編,コロナ社 |
授業内容と その進め方(2,000文字以内) /Course outline and weekly schedule(up to 2,000 letters) |
次の内容について講義を行う予定.設計CADを使用した演習も計画している. (1) ロバスト制御へのガイダンス (2) 古典制御の復習:周波数応答,ボード線図,ロバスト性,感度特性,定常特性,ナイキスト判別,位相進み・遅れ補償 (3) 現代制御の復習:可制御・可観測,最小実現,極と零点,安定性,状態フィードバック,オブザーバ (4) 不確かさの測度としてのノルム:2ノルム,パワーノルム,∞ノルム,信号のノルム,システムのノルム,ノルム間の関係,ノルムの劣乗法性 (5) 既約分解表現によるシステム理論(1):安定プロパーな有理伝達関数行列,既約性,ベズー等式,内部安定性,フィードバック制御のWell-posedness (6) 既約分解表現によるシステム理論(2):状態方程式による既約分解の計算,ユーラパラメトリゼーション,閉ループ特性の既約分解表示 (7) 既約分解表現によるシステム理論(3):2自由度系,ロバストサーボ (8) 非構造的な不確かさに対するロバスト制御:不確かさの表現,スモールゲイン定理 (9) 構造的不確かさに対するロバスト制御:ノルム有界不確かさ,二次安定性,二次安定化 (10) H∞制御問題の定式化:感度最小化問題,ロバスト安定性問題,混合感度問題 (11) H∞制御問題標準の解法(1):補間問題によるアプローチ (12) H∞制御問題標準の解法(2):リカッチ方程式によるアプローチ (13) LMIのための数学的基礎 (14) LMIのための消散システム理論:KYP補題,LMI,リカッチ方程式 (15) LMIによるH∞制御の解法 |
実務経験を活かした 授業内容 (実務経験内容も含む) /Course content utilizing practical experience |
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授業時間外の学習 (予習・復習等)(1,000文字以内) /Preparation and review outside class(up to 1,000 letters) |
きちんと復習をして,理解をしてほしい |
成績評価方法 および評価基準 (最低達成基準を含む) (1,000文字以内) /Evaluation and grading (up to 1,000 letters) |
レポートの成績により評価する. 最低達成基準は以下のとおり (1)ロバスト制御の必要性を説明できる (2)2ノルム・∞ノルムの性質や関係,システムノルム・信号のノルムの相違も説明できる (3)1入出力系の既約分解表現を計算できる (4)ユーラパラメトリゼーションの導出と用途に応じた設計ができる (5)2自由度系と1自由度系の違いも説明できる (6)感度関数や相補感度関数を考える理由が説明できる. (7)混合感度問題の定式化ができる (8)状態フィードバックH∞制御問題をLMIで定式化ができる (9)出力フィードバックH∞制御問題をLMIで定式化ができる |
オフィスアワー: 授業相談(1,000文字以内) /Office hours(up to 1,000 letters) |
いつでもよい.ただし,来室する際は事前にメールをすること. |
学生へのメッセージ(1,000文字以内) /Message for students(up to 1,000 letters) |
ロバスト制御は,古典制御・現代制御の成果を漏れなく使っている理論体系ですので,学部のときの復習もしておいてください.また線形代数の基礎も必須です. ロバスト制御のテーマは,制御やダイナミクスといった概念を通じて,理論と実際を合理的につなぐエキサイティングな学際領域の一つと思います.そのようなエッセンスを講義を通じて感じ取ってもらえればと思います. |
その他 /Others |
なし |
キーワード /Keywords |
ロバスト制御,H∞制御,二次安定化,スモールゲイン定理,既約分解,消散性,LMI |