シラバス参照

講義概要/Course Information
2020/04/28 現在

科目基礎情報/General Information
授業科目名
/Course title (Japanese)
熱・統計物理学基礎
英文授業科目名
/Course title (English)
Statistical Physics : Basic course
科目番号
/Code
PHY602m PHY602n PHY604k
開講年度
/Academic year
2020年度 開講年次
/Year offered
3
開講学期
/Semester(s) offered
後学期 開講コース・課程
/Faculty offering the course
情報理工学域
授業の方法
/Teaching method
講義 単位数
/Credits
2
科目区分
/Category
専門科目
開講学科・専攻
/Cluster/Department
Ⅲ類
担当教員名
/Lecturer(s)
尾関 之康
居室
/Office
東6-534
公開E-Mail
/e-mail
yozeki@PC (PC=pc.uec.ac.jp)
授業関連Webページ
/Course website
なし
更新日
/Last updated
2020/02/20 14:12:50 更新状況
/Update status
公開中
/now open to public
講義情報/Course Description
主題および
達成目標
/Topic and goals
 人間が扱う物質は全てアボガドロ数(べらぼーに大きい数である!)程度の粒子からなっている。このような系の運動は、個々の粒子に「量子力学」や「電磁気学」を適用して得られるはずであり、また全体の性質は熱力学によって記述されている。物理学の基本法則である量子力学と電磁気学を多数の系や自由度からなる現実の系に適用し、熱力学的法則を導くことを可能にするのが統計熱力学である。

 現代の高度科学技術のすべての分野で統計力学的知識、熱力学的知識は必要となる。基礎科目として学んだ熱物理学は古典力学に基づいているが、量子力学的に考察するとエントロピー等の概念等がずっとわかりやすくなる事を理解してほしい。

 温度・エントロピーの定義、ボルツマン因子の意味、フェルミ粒子とボーズ粒子の区別を理解し、基本的な問題についてのそれらを応用出来るようになることを目標とする。
前もって履修
しておくべき科目
/Prerequisites
微分積分学、線形代数、解析力学、波動と光、電磁気学、熱力学
前もって履修しておくこ
とが望ましい科目
/Recommended prerequisites and preparation
数学演習、応用数理解析、電磁気学演習、関数論
教科書等
/Course textbooks and materials
教科書:長岡洋介著 「統計力学」 岩波物理学シリーズ7 (岩波書店)

参考書:キッテル著 「熱物理学」 (丸善)
    久保亮五騙 「大学演習 熱学・統計力学」 (裳華房)
授業内容と
その進め方
/Course outline and weekly schedule
次の順で行う。
1 はじめに:統計力学の基礎 (第1回〜2回)    
  確率的解釈、
  等重率の原理、熱平衡、温度、エントロピー
2 ミクロカノニカル分布 (第3回〜4回)    
  理想気体(自由粒子の量子力学) 、2準位系、調和振動子
3 カノニカル分布 (第5回〜6回)    
  Boltzmann因子、分配関数、自由エネルギー
4 古典統計力学 (第7回〜9回)    
  位相空間、古典理想気体、2原子分子
【応用と合同の中間試験】
5 低温と量子効果 (第10回〜11回)    
  空洞放射
  [Debye理論は応用で説明される]
6 開いた系と化学ポテンシャル (第11回〜13回)    
  グランドカノニカル分布
  フェルミ分布とBose分布
7 量子統計力学 (第14回〜15回)    
  理想フェルミ気体
  理想ボーズ気体

熱・統計物理学応用と合わせて受講し、きちんと演習問題に取り組むことを強く薦める。
実務経験を活かした
授業内容
(実務経験内容も含む)
/Course content utilizing practical experience
授業時間外の学習
(予習・復習等)
/Preparation and review outside class
熱・統計物理学応用で出題される演習問題を理解すること。
授業の前後に教科書を一読すること。
成績評価方法
および評価基準
(最低達成基準を含む)
/Evaluation and grading
 評価方法:講義には毎回出席していることを前提に
      応用と合同で実施する中間、期末試験の結果で評価する。
      中間試験は応用の講義時間に行う。

 評価基準:次の5点が合格となる基準である。
   1) 等確率の原理とエントロピーの定義の理解
   2)ボルツマン因子の物理的な意味を理解し説明できること
   3)簡単な系(理想気体,2準位系,調和振動子)について分配関数を求め、
     エネルギー等の物理量を求めることができること
   4)開いた系と化学ポテンシャルを理解している
   5)フェルミ粒子とボーズ粒子の相違を説明できること
   




オフィスアワー:
授業相談
/Office hours
第1回目の講義の際に相談して決める。
なるべく授業時間中に質問しましょう。
学生へのメッセージ
/Message for students
話を聞いただけでは方法を使いこなすことはできません。
理解するためには自分で手を動かすことが大事です。
その他
/Others
なし
キーワード
/Keyword(s)
ボルツマン因子, カノニカル分布, 自由エネルギー, エントロピー, フェルミ粒子, ボーズ粒子