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講義概要/Course Information |
科目基礎情報/General Information |
授業科目名 /Course title (Japanese) |
解析学基礎論 | ||
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英文授業科目名 /Course title (English) |
Fundamentals of Analysis | ||
開講年度 /Academic year |
2011年度 | 開講年次 /Year offered |
全学年 |
開講学期 /Semester(s) offered |
前学期 | 開講コース・課程 /Faculty offering the course |
博士前期課程 |
授業の方法 /Teaching method |
講義 | 単位数 /Credits |
2 |
科目区分 /Category |
大学院教養教育科目 | ||
開講類・専攻 /Cluster/Department |
全専攻 | ||
担当教員名 /Lecturer(s) |
石田 晴久 | ||
居室 /Office |
東1-501 | ||
公開E-mail |
ishida@im.uec.ac.jp | ||
授業関連Webページ /Course website |
なし | ||
更新日 /Last update |
2011/02/24 16:20:07 | 更新状況 /Update status |
公開中 /now open to public |
講義情報/Course Description |
主題および 達成目標(2,000文字以内) /Themes and goals(up to 2,000 letters) |
(a) 主題 現代解析学の基礎理論としてルベーグ積分論とその関数空間論の基礎を主題とする.具体的には,まず積分論の土台をなす測度論をカラテオドリの流儀に従って公理的に展開し,ラドン測度の主要な性質を概観する.次に,これらの測度論に基づいてルベーグ式の積分論を構築する.そこでの主題は積分と極限の順序交換を保証する収束定理及び積分順序の交換に関するフビニの定理である.そして,その応用としてルベーグ空間上でのフーリエ変換論の基本的事項について解説する.最後にソボレフ空間の基礎的内容,特に埋蔵定理や補間不等式について言及する予定である. (b) 達成目標 この授業は超関数に代表される,弱い意味での近代的な微分概念を通じて工学上重要な偏微分方程式(波動方程式、熱伝導方程式等)の初期-境界値問題を議論するための基本的枠組の関数空間を与え,今後の偏微分方程式論への学習の基礎となる概念の理解を深めることが目標である. |
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前もって履修 しておくべき科目(1,000文字以内) /Prerequisites(up to 1,000 letters) |
微分積分学第一,同第二,線形代数学第一,同第二,解析学 |
前もって履修しておくこ とが望ましい科目(1,000文字以内) /Recommended prerequisites and preparation(up to 1,000 letters) |
複素数学(関数論),現代数学入門A |
教科書等(1,000文字以内) /Course textbooks and materials(up to 1,000 letters) |
教科書:水田 義弘 著「実解析入門 測度・積分・ソボレフ空間」,培風館 参考書:伊藤 清三 著「ルベーグ積分入門」(数学選書4),裳房華 溝畑 茂 著「ルベーグ積分」(岩波全書),岩波書店 新井 仁之 著「ルベーグ積分講義」,日本評論社 柴田 良弘 著「ルベーグ積分論」,内田老鶴圃 谷島 賢二 著「ルベーグ積分と関数解析」(数学の考え方13),朝倉書店 E. M. スタイン・R. シャカルチ 共著「フーリエ解析入門」(プリンストン解析学講義1),日本評論社 宮島 静雄 著「ソボレフ空間の基礎と応用」,共立出版 垣田 高夫 著「シュワルツ超関数入門」,日本評論社 金子 晃 著「偏微分方程式入門」(基礎数学12),東京大学出版会 堤 誉志雄 著「偏微分方程式論」(数学レクチャーノート 基礎偏3),培風館 熊ノ郷 準 著「偏微分方程式」(共立数学講座14),共立出版 W. Rudin, Real and Complex Analysis, 3rd ed., McGraw-Hill, 1987. E. H. Lieb and M. Loss, Analysis, 2nd ed., Graduate Studies in Math., Vol. 14, AMS, 2001. L. Evans and R. F. Gariepy, Measure Theory and Fine Properties of Functions, CRC Press, 1992. |
授業内容と その進め方(2,000文字以内) /Course outline and weekly schedule(up to 2,000 letters) |
(a) 授業内容 第1回:有限次元ユークリッド空間とその位相,上極限・下極限,集合の演算 第2回:外測度とその制限,可測集合とその性質(集合算による可測性の保存,可算加法性など) 第3回:可算加法族,ボレル集合とその可測性,正則性 第4回:外測度の正則性,ボレル測度,ラドン測度 第5回:可測関数,四則演算による関数の可測性の保存,関数の可測性の特徴づけ 第6回:極限関数の可測性,可測関数の表現,可測関数列の測度収束性 第7回:階段関数とその積分,積分の定義,可積分関数とその性質 第8回:積分の表現,ファトゥの補題,ルベーグの収束定理 第9回:直積測度,フビニ・トネリの定理 第10回:ルベーグ関数空間,ヘルダーの不等式,ミンコフスキーの不等式 第11回:関数の合成積,ルベーグ関数の軟化子による近似,ハウスドルフ・ヤングの不等式 第12回:ルベーグ空間におけるフーリエ変換,リーマン・ルベーグの定理,ガウス核,反転公式 第13回:シュワルツの急減少関数,プランシュレルの定理,パーセバルの等式 第14回:シュワルツ超関数と弱導関数,ソボレフ空間,ソボレフの埋蔵定理 第15回:ガリアード・ニーレンバーグの補間不等式 (b) 授業の進め方 上記に示すような内容を全体的な関連がわかるように,系統的に説明して授業を進める. (c) 授業時間外の学習(予習・復習等)について 各回に学んだ定理等を利用して教科書の問題演習を次回の授業時までに行なって,その回の授業内容の理解を深めて下さい. |
実務経験を活かした 授業内容 (実務経験内容も含む) /Course content utilizing practical experience |
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成績評価方法 および評価基準 (最低達成基準を含む) (1,000文字以内) /Evaluation and grading (up to 1,000 letters) |
(a) 成績評価方法 レポート,授業で出題する演習問題の解答内容等によって総合評価する. (b) 評価基準 以下の到達レベルをもって合格の最低基準とする. 1. 測度に関する基本的な概念と性質が概ね理解できている. 2. 可測関数と連続関数との類似点及び相違点について概ね理解できている. 3. ルベーグ式積分の概念を理解し,階段関数等の簡単な関数に対して運用することができる. |
オフィスアワー: 授業相談(1,000文字以内) /Office hours(up to 1,000 letters) |
東1号館,501号室,月曜,5時限を原則とします.但し,この時間に都合がつかない場合には,数日前に電子メールで来室予約をとった上で居室を訪問されたい.電子メールでの質問は固くお断りします.当該授業の内容以外の質問や相談には応じませんので悪しからず. |
学生へのメッセージ(1,000文字以内) /Message for students(up to 1,000 letters) |
半年間の講義で現代解析学全般を概観することは事実上不可能なので,基礎的な内容を解説することのみに追われることと思います.従って,どうしても学生諸君の自習に頼らざるを得ない箇所があるでしょうが,学部授業の「微分積分学」では味わえなかった,20世紀の解析学の潮流の一端を感じてもらえれば幸いです.特に数理系専攻の大学院生には上記の参考書等で引き続いて学習されることを望みたいと思います.現代数学の特徴の一つである公理的な議論展開にも慣れてもらうことを期待します. |
その他 /Others |
なし |
キーワード /Keywords |
集合算,外測度,可測集合,ボレル集合,ラドン測度,ルベーグ測度,可測関数,階段関数,ファトゥの補題,ルベーグの収束定理,フビニの定理,ルベーグ空間,ヘルダー・ミンコフスキーの不等式,リーマン・ルベーグの定理,ガウス核,反転公式,合成積,ハウスドルフ・ヤングの不等式,軟化子,シュワルツの急減少関数,プランシェレルの定理,弱導関数,ソボレフ空間,ソボレフの埋蔵定理,ガリアード・ニーレンバーグの補間不等式 |