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講義概要/Course Information |
科目基礎情報/General Information |
授業科目名 /Course title (Japanese) |
線形代数学第一 | ||
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英文授業科目名 /Course title (English) |
Linear Algebra Ⅰ | ||
科目番号 /Code |
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開講年度 /Academic year |
2014年度 | 開講年次 /Year offered |
1/2/3/4 |
開講学期 /Semester(s) offered |
前学期 | 開講コース・課程 /Faculty offering the course |
情報理工学部 |
授業の方法 /Teaching method |
講義 | 単位数 /Credits |
2 |
科目区分 /Category |
専門科目 | ||
開講類・専攻 /Cluster/Department |
情報理工学部 | ||
担当教員名 /Lecturer(s) |
石田 晴久 | ||
居室 /Office |
東1-501 | ||
公開E-mail |
ishida@uec.ac.jp | ||
授業関連Webページ /Course website |
なし | ||
更新日 /Last update |
2014/06/12 15:14:18 | 更新状況 /Update status |
公開中 /now open to public |
講義情報/Course Description |
主題および 達成目標(2,000文字以内) /Themes and goals(up to 2,000 letters) |
各学科の専門科目を受講するにあたり,数学的なバックグラウンド(微分積分学と線形代数学)は不可欠である.線形代数学は,諸分野に現れる「線形性」という共通の考え方のもとに抽象化され,統一された体系となっている.この抽象化のおかげで,線形代数学は非常に豊かな応用をもつに至っている. 線形代数学第一では,線形代数学における最も基本的な計算技術の習得を目的とする.具体的には,行列の足し算や掛け算といった演算規則を習得した後に,行列の基本変形と行列式の計算を学ぶ.行列の基本変形は,線形代数学の随所で必要となる技術であり,線形代数学第一では連立一次方程式の解法や逆行列の計算法に利用される.また,行列式については,基本変形や展開公式を用いて自由に計算できる技術の習得が望まれる.さらに,これらの重要な応用として,行列の対角化までがカバーされる. |
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前もって履修 しておくべき科目(1,000文字以内) /Prerequisites(up to 1,000 letters) |
(数学B「ベクトル」,数学C「行列」) |
前もって履修しておくこ とが望ましい科目(1,000文字以内) /Recommended prerequisites and preparation(up to 1,000 letters) |
なし |
教科書等(1,000文字以内) /Course textbooks and materials(up to 1,000 letters) |
教科書:木田 雅成 著『線形代数学講義』(培風館) 参考書:難易度の易しい順に個人的に推奨できる書籍のいくつかを挙げておく. 岡部 恒治・長谷川 愛美・村田 敏紀 共著『連立方程式から学ぶ行列・行列式 ―意味と計算の完全理解―』(共立出版) 硲 文夫 著『理工系の線形代数』(培風館) 具体例を通して行列を学べる 硲 文夫 著『理工系の線形代数・演習』(培風館) 雪江 明彦 著『線形代数学概説』(培風館) 行列式の幾何的意義に詳しい 中村 郁 著『線形代数学』(数学書房) 固有値・固有ベクトルの応用上の意義を解説 永田 雅宜 他著『理系のための線型代数の基礎』(紀伊國屋書店) 「東の小平,西の永田」で知られる,代数学の世界的泰斗,永田先生の(私の学生時代の)教科書 齋藤 正彦 著『線型代数入門』(東京大学出版会) 色々な話題を紹介 佐武 一郎 著『線型代数学』(裳華房) 和書では最難関な本(今読んでも難しい) 山本 哲朗 著『行列解析の基礎 Advanced線形代数』(サイエンス社) 行列論の豊饒さ・奥深さに啓発されよう 中神 祥臣・柳井 晴夫 共著『矩形行列の行列式』(丸善出版) 長方形行列の行列式(Cullis 行列式) に関する唯一の教科書 D. C. Lay, Linear Algebra and Its Applications, 4th ed., Pearson, 2011. G. Strang, Introduction to Linear Algebra, 4th ed., Wellesley Cambridge Press, 2009. |
授業内容と その進め方(2,000文字以内) /Course outline and weekly schedule(up to 2,000 letters) |
(a) 授業内容 第1回:内容紹介,行列の定義と基本性質 第2回:行列の積とその性質,逆行列と正則行列 第3回:転置行列,行列の分割,第1回~第3回の補足 第4回:連立1次方程式と行列,行列の基本変形 第5回:行列の簡約化と連立1次方程式の解き方 第6回:行列の階数と解の自由度 第7回:逆行列の計算,第4回~第7回の補足 第8回:中間試験とその解説 第9回:行列式の定義と基本的性質 第10回:行列式の基本性質(1),行列式の計算法 第11回:行列式の基本性質(2) 第12回:行列式の余因子展開 第13回:行列の固有値・固有ベクトル 第14回:行列の対角化 第15回:第9回~第14回の補足 【注】講義の進度は多少前後することがある. (b) 授業の進め方 授業は基本的に板書によって進められる. |
実務経験を活かした 授業内容 (実務経験内容も含む) /Course content utilizing practical experience |
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授業時間外の学習 (予習・復習等)(1,000文字以内) /Preparation and review outside class(up to 1,000 letters) |
授業時間外の学習なしに,講義中に講義内容のすべてを理解し身につけることは不可能であることを認識してほしい.授業時間外に,講義の復習をすると同時に,教科書の演習問題等を実際に解いてみる作業が求められる. |
成績評価方法 および評価基準 (最低達成基準を含む) (1,000文字以内) /Evaluation and grading (up to 1,000 letters) |
(a) 評価方法 ・中間試験 50%,期末試験 50% (b) 評価基準 行列の基本変形(簡約化)を利用して連立1次方程式が解けることは必須である.さらに,逆行列,行列式の計算法が理解されていることを合格の基準とする. |
オフィスアワー: 授業相談(1,000文字以内) /Office hours(up to 1,000 letters) |
東1号館,501号室,水曜,5時限を原則とします.但し,この時間に都合がつかない場合には,数日前に電子メールで来室予約をとった上で居室を訪問されたい.電子メールでの質問は固くお断りします.当該授業の内容以外の質問や相談には応じませんので悪しからず. |
学生へのメッセージ(1,000文字以内) /Message for students(up to 1,000 letters) |
高等学校における数学B「ベクトル」,数学C「行列」の発展的な内容を学習します.つまり,高等学校での学習内容を前提にして講義が行われます.それらが不確かだと思う学生は是非積極的に「数学補習授業」に参加して下さい.補習の若い先生が丁寧に教えてくれるはずです. この講義は実数成分の一般的な行列の計算法とその連立1次方程式への応用法を習得するのが主な目的ですが,理論的な側面も多少あります.例えば,連立1次方程式が解けるための条件を行列の‘階数’という概念で与えることや,連立1次方程式を解く過程で自然に現れる‘行列式’という概念を一般的に定義すること,その性質や計算法(余因子展開)などがそうです.その箇所は初学者には難しく感じると思われますが,教科書の例題や節末問題,演習書の問題などを自分で考え,解いて行く過程で次第にわかってくるものですから,最初は余り気にせずにやってみて下さい.まずは,一般的な定義や定理,公式を具体的な問題で繰り返し使うことを通じて馴染んでみましょう.そのためには毎回,必ず復習することが大切です. 客観的理解度を知るために,演習問題を自力で解いてみましょう.それで,もしも解けなかったのなら,何処かに原因があるはずです.例えば,解くのに必要な知識(計算法,定理の運用法等)の不足です.時間的な制約から授業で実際教えられるのは最低限の内容だけです.線形代数学第一用の問題演習科目として数学演習第一がありますが,それでも十分とはいえませんので,それ以外の問題演習等は学生諸君の自主性に委ねられているのが実情です.そのために附属図書館等に学習に有用な書籍があります.これらの書物を積極的に活用して理解するよう心掛けて下さい.それでも,どうしてもわからなければ,先生や先輩に質問すればよいでしょう.こういう地道な努力を期待します.何れにせよ,充分に時間をかけないと,数学だけでなくあらゆる意義のある学問はわかるはずの内容でもわからないことは確かです. |
その他 /Others |
なし |
キーワード /Keywords |
◆行列,正則行列 ◆行基本変形,簡約行列,連立1次方程式,逆行列,行列の階数 ◆行列式,余因子展開,余因子行列 ◆固有値,固有ベクトル,固有空間,対角化 |