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講義概要/Course Information
2020/04/28 現在

科目基礎情報/General Information
授業科目名
/Course title (Japanese)
倫理学B
英文授業科目名
/Course title (English)
Ethics B
科目番号
/Code
HSS402z
開講年度
/Academic year
2020年度 開講年次
/Year offered
2/3/4
開講学期
/Semester(s) offered
後学期 開講コース・課程
/Faculty offering the course
情報理工学域
授業の方法
/Teaching method
講義 単位数
/Credits
2
科目区分
/Category
総合文化科目
開講学科・専攻
/Cluster/Department
情報理工学域
担当教員名
/Lecturer(s)
増山 浩人
居室
/Office
東1-511
公開E-Mail
/e-mail
masuyama.h@bunka.uec.ac.jp
授業関連Webページ
/Course website
なし
更新日
/Last updated
2020/03/02 14:00:00 更新状況
/Update status
公開中
/now open to public
講義情報/Course Description
主題および
達成目標
/Topic and goals
(主題)科学技術時代の倫理学
 「倫理学A」と同様、この授業では倫理学の概説的な講義を行います。「倫理学B」のテーマは、科学技術時代の倫理学です。科学技術の進歩は、人間同士の関係だけでなく、人間が動物や環境とかかわる方法をも大きく変えてしまいました。この授業では、「よく生きる」方法を模索する倫理学がこの変化にどのように対処してきたのかを見ていきます。

(達成目標)
 この授業の達成目標は、(1)動物や環境が倫理学においてどのように扱われてきたのかを理解すること、(2)未来に対する義務を倫理学がどのように考えているかを理解すること、(3)授業で扱った倫理学理論を使って、「科学技術時代によく生きるために何が大切か」を判断できるようになること、の三点です。
前もって履修
しておくべき科目
/Prerequisites
なし
前もって履修しておくこ
とが望ましい科目
/Recommended prerequisites and preparation
なし
教科書等
/Course textbooks and materials
 教科書は特に指定しません。適宜プリントを作成し、配布します。興味のある学生には以下の参考書を勧めます。(1)新田孝彦『入門講義 倫理学の視座』、世界思想社、2000年、(2)戸谷洋志『ハンス・ヨナスを読む』、堀之内出版、2018年、(3)田上孝一『動物と環境の倫理』、本の泉社、2017年、(4)吉川孝、横地徳広、池田喬(編)、『映画で考える生命環境倫理学』、勁草書房、2019年。 
授業内容と
その進め方
/Course outline and weekly schedule
(授業内容)
 前半では、動物や環境が倫理学の対象として取り入れられていく過程を見ていきます。その上で、科学技術が発達した時代に対処するための倫理学を見ていきます。最後に、倫理学において男女の性差がどのように論じられてきたのかを確認します。講義の順序と主題は以下の通りです。

第1回 イントロダクション:科学技術時代に生きる我々にはどのような倫理学が必要か? 
第2回 動物の倫理(1)キリスト教倫理と動物:神の似姿としての人間だけが道徳的価値を持つ。
第3回 動物の倫理(2)カント倫理学と動物:動物は人間の道具にすぎない。
第4回 動物の倫理(3)功利主義と動物:動物は倫理的共同体の一員である。
第5回 動物の倫理(4)シンガーの動物解放論:動物の苦痛は考慮されるべきである。
第6回 動物の倫理(5)レーガンの動物権利論:生の主体としての動物は道徳的価値を持つ。
第7回 環境の倫理(1)レオポルドの土地倫理:生態系全体が道徳的価値を持つ。
第8回 環境の倫理(2)救命ボート倫理と宇宙船倫理:有限な地球上で生き残るための倫理
第9回 動物と環境の倫理:べジタリアニズムの起源と展開
第10回 ヨナスの倫理学(1)未来倫理:科学技術の進歩に対応した倫理学のアップデート
第11回 ヨナスの倫理学(2)責任という原理:なぜ人類は滅亡してはならないのか?
第12回 ベネターの反出生主義:我々は生まれてこない方がよかったのか?
第13回 サンデルのエンハンスメント批判:なぜ科学技術で人間を強化してはいけないのか?
第14回 フェミニスト倫理:コールバークVSキリガン――道徳に性差はあるのか?――
第15回 羅針盤としての倫理学:科学技術時代をよりよく生きるために。

(進め方)
 作成したプリントに即して講義します。さらに、各授業の終わりにリアクションペーパーに感想・質問を書いてもらい、次の授業の冒頭でその一部に応答します。
実務経験を活かした
授業内容
(実務経験内容も含む)
/Course content utilizing practical experience
授業時間外の学習
(予習・復習等)
/Preparation and review outside class
前回の授業の内容を配布資料や各自のノートを使って、復習しておくこと。
成績評価方法
および評価基準
(最低達成基準を含む)
/Evaluation and grading
(評価基準)
平常点:リアクションペーパー 20%
期末試験 80%:採点基準(1)授業で学んだ基本用語や議論を正しく理解しているか、(2)授業で学んだ倫理学理論を使って「何が道徳的によいのか」を判断できているか。

(最低達成基準)
a.最低でも15回のうち10回以上の授業に出席していること。
b.期末試験の点数が6割を超えていること。
オフィスアワー:
授業相談
/Office hours
木曜18:00-19:00。その他の時間に質問・相談がある場合はメールでアポイントメントを取ってください。
学生へのメッセージ
/Message for students
核兵器を手にした今、我々はボタン一つで地球環境に壊滅的な被害を与えられるようになってしまいました。このような時代にあっては、人間が動物や環境とどのようにかかわるかが問い直されています。科学技術時代において道徳的に正しく生きるためにはどうするべきかを一緒に考えていきましょう。
その他
/Others
なし
キーワード
/Keyword(s)
倫理学、カント倫理学、功利主義、動物の権利論、環境倫理、未来倫理