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講義概要/Course Information
2020/04/28 現在

科目基礎情報/General Information
授業科目名
/Course title (Japanese)
現代数学入門B
英文授業科目名
/Course title (English)
Introduction to Modern Mathematics B
科目番号
/Code
MTH302z
開講年度
/Academic year
2020年度 開講年次
/Year offered
2/3/4
開講学期
/Semester(s) offered
前学期 開講コース・課程
/Faculty offering the course
情報理工学域
授業の方法
/Teaching method
講義 単位数
/Credits
2
科目区分
/Category
総合文化科目
開講学科・専攻
/Cluster/Department
情報理工学域
担当教員名
/Lecturer(s)
大野 真裕
居室
/Office
東1-411
公開E-Mail
/e-mail
ohno@e-one.uec.ac.jp
授業関連Webページ
/Course website
 なし
更新日
/Last updated
2020/03/02 14:14:11 更新状況
/Update status
公開中
/now open to public
講義情報/Course Description
主題および
達成目標
/Topic and goals
主題:2次方程式には諸君も知ってのとおり解の公式がある.では3次方程式の解の公式はどういう式だろうか?4次方程式の解の公式はどういう式だろうか?これらの公式は,16世紀に,3次,4次と発見されていった.18世紀後半には,n次方程式は必ず解をもつこともわかってきた.しかし,その時点でも,5次方程式の「解の公式」はできなかった.その後,19世紀前半に,驚くべきことに,5次以上の一般の方程式は,いわゆる「解の公式」が存在しないことが証明された.本講義では,方程式のべき根解法の探求をとおして,群,環,体,群の作用という代数学の基本的概念の重要性を学ぶ.

達成目標:べき根で解けるかどうかを調べるのに,解の公式そのものを精確に求めてしまおうというすると厳しくなる.少し視点を変えて,原理的には求まるという視点が大切になる.そのとき,根の式の対称性に注目し,群や体などの集合を扱うことがポイントとなる.この視点の変化を体験し,本格的に群,環,体などの一般論を勉強してみたいと思うようになるのが目標である.
前もって履修
しておくべき科目
/Prerequisites
なし
前もって履修しておくこ
とが望ましい科目
/Recommended prerequisites and preparation
線形代数学第一,数学演習第一
教科書等
/Course textbooks and materials
参考書:
梶原健「本質を学ぶガロワ理論最短コース」
高木貞治「代数学講義」第5,6,7章
原田耕一郎「群の発見」第2,3,4章
David Cox「ガロワ理論」
矢ヶ部巌「数III方式ガロアの理論」
Jean-Pierre Tignol「Galois' Theory of Algebraic Equations」
授業内容と
その進め方
/Course outline and weekly schedule
(a)授業内容
第1回:根と係数の関係,基本対称式,対称式の基本定理,基本対称式の式に直す方法
第2回:3次方程式の解法,分解方程式
第3回:3次方程式の分解方程式の解の対称性
第4回:置換,置換の積,単位置換,逆置換,巡回置換,互換,n次対称群,群,有限群
第5回:複素数体,体,多項式環,環,有理関数体,群の作用
第6回:軌道,固定部分群,部分群,剰余類,軌道の元と剰余類の対応
第7回:剰余類による群の分割,指数,Lagrangeの定理,
第8回:軌道の元の個数と固定部分群の位数の関係
第9回:3次方程式の解法再訪,体の拡大,添加による拡大
第10回:固定部分体,ガロア拡大,単拡大
第11回:4次方程式のLagrangeの解法
第13回:一般の4次方程式の場合のガロア対応,正規部分群
第14回:剰余群と同型,4次対称群のクライン4元群による剰余群と3次対称群の同型
第15回:まとめと復習

(b) 授業の進め方
授業は基本的に板書によって進められる.
実務経験を活かした
授業内容
(実務経験内容も含む)
/Course content utilizing practical experience
授業時間外の学習
(予習・復習等)
/Preparation and review outside class
復習してください.予習をするには,「代数学講義」の指定された章を読むか,または,「本質を学ぶガロワ理論最短コース」を読むとよいかと思います.
成績評価方法
および評価基準
(最低達成基準を含む)
/Evaluation and grading
(a) 評価方法
期末試験の結果を主として,レポートの提出状況,出来等を加味して評価する.

(b) 評価基準
固定部分群を求めることができる,軌道を求めることができる,簡単な代数系の証明がかける,
群,環,体などの基本的代数系を識別できる,3変数以上の対称式を基本対称式で書き表すことができる,ことなどを合格の基準とする.
オフィスアワー:
授業相談
/Office hours
随時受け付ける.
学生へのメッセージ
/Message for students
5次以上の方程式のべき根解法はどうなるのだろう?と思う方は,梶原健「本質を学ぶガロワ理論最短コース」を読むのが良いのではないかと思う.(特に7章以降.)
その他
/Others
なし
キーワード
/Keyword(s)
群,n次対称群,置換群,環,多項式環,体,有理関数体,群の作用,軌道,部分群,固定部分群,部分体,固定部分体,拡大体,添加による拡大,単拡大,ガロワ対応