シラバス参照 |
講義概要/Course Information |
科目基礎情報/General Information |
授業科目名 /Course title (Japanese) |
ドイツ倫理学 | ||
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英文授業科目名 /Course title (English) |
German Ethics | ||
科目番号 /Code |
HSS515z | ||
開講年度 /Academic year |
2020年度 | 開講年次 /Year offered |
3/4 |
開講学期 /Semester(s) offered |
前学期 | 開講コース・課程 /Faculty offering the course |
情報理工学域 |
授業の方法 /Teaching method |
講義 | 単位数 /Credits |
2 |
科目区分 /Category |
総合文化科目 | ||
開講学科・専攻 /Cluster/Department |
情報理工学域 | ||
担当教員名 /Lecturer(s) |
増山 浩人 | ||
居室 /Office |
東1-511 | ||
公開E-Mail |
masuyama.h@bunka.uec.ac.jp | ||
授業関連Webページ /Course website |
なし | ||
更新日 /Last updated |
2020/03/23 18:20:02 | 更新状況 /Update status |
公開中 /now open to public |
講義情報/Course Description |
主題および 達成目標 /Topic and goals |
(主題)ドイツ倫理学の古典を輪読する。 ドイツには理性や義務を重視する倫理学の伝統がある。その代表格としては、義務に基づく行為こそが道徳的に正しい行為だと主張したカントの倫理学が挙げられる。フィヒテ、ヘーゲル、ヨナスといったその後のドイツの倫理学者もカントの倫理学と批判的に対決しながら、自らの理論を確立していった。本授業では、こうしたドイツ倫理学の古典的著作をセミナー形式で読み進めていく。最終的に、ドイツ倫理学の古典的著作の日本語訳を独力で読み、その内容について議論できる力を身につけることを目指す。 |
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前もって履修 しておくべき科目 /Prerequisites |
なし |
前もって履修しておくこ とが望ましい科目 /Recommended prerequisites and preparation |
なし。ただし、「倫理学A」および「倫理学B」と本授業の内容には密接な関連があります。また、高校レベルの公民、倫理、世界史の知識も授業の理解のために役立つでしょう。 |
教科書等 /Course textbooks and materials |
教科書:I.カント『永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編』、中山元(訳)、光文社古典新訳文庫、2012年。https://www.kotensinyaku.jp/books/book03/ 授業は教科書に基づいて進めるので、教科書は必ず購入し、2回目以降の授業に参加する際には持参してください。『永遠平和のために』の翻訳は他にもいくつかありますが、必ず上記の光文社版の訳を買ってください。その他の参考文献は授業中に適宜紹介します。 |
授業内容と その進め方 /Course outline and weekly schedule |
(授業内容)「カントの平和論」 今年度はカントの『永遠平和のために』(1795)をセミナー形式で輪読していきます。同書で、カントは自らの倫理学を下敷きにしながら、平和状態が実現するために必要な条件を論じています。これらの条件の中には、「常備軍の廃止」や「国家間連合の設立」など現代の人々が共有できるものも少なくありません。 とはいえ、彼はなぜそのような主張を行う必要があったのでしょうか。あるいは彼はどのように自説を正当化したのでしょうか。この点は、入門書や概説書を読むだけではなかなかわかりません。 この授業ではカント自身のテキストをゆっくり読み進めていくことで、カントが自説を展開するプロセスを丁寧に見ていきます。このことによって、「戦争を根絶するためには何が必要か」という問題に対してカントが導き出した答えをいわばその証明手続きまで含めて理解することを目指します。具体的な授業の内容は以下の通りです。 第1回 ガイダンスとイントロダクション:『永遠平和のために』概説、授業の目的と進め方の説明、第1回アンケート(10分~20分程度、人文学に関する質問+作文「戦争と平和に関して思うこと」) この回の授業では、授業の目的や進め方を説明します。さらに後半では授業に関連する簡単なアンケートに答えてもらいます。このアンケートを提出することが履修の条件になるので、第1回の授業には必ず出席してください。なお、受講希望者が25名を超えた場合は、このアンケートに基づいて受講者制限を行います。 第2回~3回 輪読:『永遠平和のために』「予備条項」――平和を実現するための6つの準備事項―― 第4回 輪読:『永遠平和のために』「第一確定条項」――平和を実現するための政治体制―― 第5回 輪読:『永遠平和のために』「第二確定条項」――平和を実現するための国家間連合―― 第6回 輪読:『永遠平和のために』「第三確定条項」――平和を実現するための対外政策―― 第7回~8回 輪読:『永遠平和のために』「第一追加条項」――平和の可能性を保証する神―― 第9回 輪読:『永遠平和のために』「第二追加条項」+中間総括 第10回~11回 輪読:『永遠平和のために』付録1 ――永遠平和という見地から見た道徳と政治の不一致―― 第12回 輪読:『永遠平和のために』付録2~3 ――公開性の原則に基づく道徳と政治の一致―― 第13回 輪読:カントの平和論とカントの倫理学の関連を扱った論文の検討 or 予備日 第14回 輪読:カントの平和論と日本国憲法との関連を扱った論文の検討 or 予備日 第15回 授業のまとめ ※上記のプランはあくまでも一つの目安です。セミナー形式で行う授業のため、授業の進度は受講者との議論の性質に大きく左右されます。予定より早く進んだ場合は関連論文を検討する時間を増やし、予定より遅くしか進まなかった場合は関連論文の検討をカットする予定です。 (進め方)1回につき教科書を10~30頁程度ずつ読み進めていきます。毎回指名した受講者に教科書の内容をレジュメにまとめて5~10分程度で発表してもらいます。次に、受講者の発表に対して担当教員が簡単なフィードバックを行います。その上で、受講者の発表をたたき台にして教科書の内容について参加者全員で議論していきたいと思います。 ※なお、受講者数によっては授業の進め方を変える可能性があります。特に、受講者が少ない場合、受講者の代わりに、何回かは担当教員が教科書のレジュメ発表を行います。 |
実務経験を活かした 授業内容 (実務経験内容も含む) /Course content utilizing practical experience |
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授業時間外の学習 (予習・復習等) /Preparation and review outside class |
(予習) 発表当番の学生は、教科書の要約、疑問点、不明点をまとめたレジュメ(A4用紙1~2枚)を作成すること。当番にあたっていない学生にも意見や解釈を聞くので、参加者は必ず教科書を読んでおくこと。 (復習) 発表者のレジュメや授業でとったノートを見返しながら、授業で扱った教科書の箇所を読み直し、理解を深めること。 |
成績評価方法 および評価基準 (最低達成基準を含む) /Evaluation and grading |
(評価方法) 平常点:授業中での発表・議論への貢献 70% 期末レポート(2000字程度) 30%:詳しいテーマと書き方は授業中に説明する。 (最低達成基準) a.最低でも15回のうち12回以上の授業に積極的に参加していること。 b.第1回アンケート、期末レポートが受理されていること。 |
オフィスアワー: 授業相談 /Office hours |
木曜18:00-19:00。その他の時間に質問・相談がある場合はメールでアポイントメントを取ってください。 |
学生へのメッセージ /Message for students |
哲学・倫理学の古典を読むためには適切な訓練が必要です。カントの著作は難解なことで知られていますが、一緒に一歩ずつ進んでいきましょう。 |
その他 /Others |
セミナー形式の授業なので、受講希望者が25名を超えた場合は第1回アンケートに基づいて受講者制限を行います。受講希望者は第1回の授業には必ず出席してください。2回目以降からの履修は特別な事情がない限りは認めません。 |
キーワード /Keyword(s) |
ドイツ倫理学、カント倫理学、戦争倫理学、憲法第9条、戦争 |