シラバス参照 |
講義概要/Course Information |
科目基礎情報/General Information |
授業科目名 /Course title (Japanese) |
倫理学と哲学の間 | ||
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英文授業科目名 /Course title (English) |
Between Ethics and Philosophy | ||
科目番号 /Code |
HSS615z | ||
開講年度 /Academic year |
2020年度 | 開講年次 /Year offered |
3/4 |
開講学期 /Semester(s) offered |
後学期 | 開講コース・課程 /Faculty offering the course |
情報理工学域 |
授業の方法 /Teaching method |
講義 | 単位数 /Credits |
2 |
科目区分 /Category |
総合文化科目 | ||
開講学科・専攻 /Cluster/Department |
情報理工学域 | ||
担当教員名 /Lecturer(s) |
増山 浩人 | ||
居室 /Office |
東1-511 | ||
公開E-Mail |
masuyama.h@bunka.uec.ac.jp | ||
授業関連Webページ /Course website |
なし | ||
更新日 /Last updated |
2020/03/23 18:20:27 | 更新状況 /Update status |
公開中 /now open to public |
講義情報/Course Description |
主題および 達成目標 /Topic and goals |
倫理学は道徳哲学とも呼ばれ、実は哲学の一部門である。したがって、倫理学をしっかりと学ぶためには、哲学にも目を向ける必要がある。そこで本授業では、自由意志論、神の存在と属性をめぐる問題、道徳的善の本性をめぐる問題といった倫理学と哲学の双方にまたがる問題を扱っていく。最終的には、倫理学の様々な学説をその哲学的な背景もふまえて理解することを目指す。 |
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前もって履修 しておくべき科目 /Prerequisites |
なし |
前もって履修しておくこ とが望ましい科目 /Recommended prerequisites and preparation |
なし。ただし本授業の内容は特に「倫理学A」と密接な関連があります。 |
教科書等 /Course textbooks and materials |
教科書:I.カント『実践理性批判』、波多野精一(訳)、岩波文庫、1979年。期末レポートでは、教科書を材料にしてレポートを書いてもらいます。また、第10回以降は、教科書に書かれている内容を集中的に扱います。したがって、図書館等で借りてもいいですが、買った方が効率的です。 (参考文献) 適宜授業中に紹介します。 |
授業内容と その進め方 /Course outline and weekly schedule |
(授業内容)「キリスト教をめぐる倫理学と哲学」 現代的な感覚からすると、神は特定の宗教の信者以外関係のないものに思われるかもしれません。しかし、西洋の学問の歴史を紐解いた時、学問の進歩は常に神とともにありました。それは倫理学も例外ではありません。 そこで、本授業では、キリスト教の教えが倫理学と哲学にどのように関係しているのかを見ていきます。まず前半では、キリスト神学と関連の深い倫理学の代表的な問題を紹介します。後半では、自然科学的な世界観とキリスト教の教えの両立を図ったカントの哲学と倫理学を細かく見ていきます。詳しい講義の内容は以下の通りです。 第1回 イントロダクション:倫理学は哲学とキリスト教にどのようにかかわっているのか? 第2回 論理実証主義者による宗教批判:科学で扱えない神は論じるに値しないのではないか? 第3回 フロイトの宗教批判:宗教は心の弱い人の逃げ場所なのか? 第4回 神の存在証明(1)存在論的証明とその問題点:完全な存在者である以上、神は存在する。 第5回 神の存在証明(2)デザイン論証とその問題点:世界に秩序があるならば神は存在するのか? 第6回 神の存在証明(3) 可能性に基づく証明:物を思考できるならば、神は存在する。 第7回 悪の問題と弁神論(1)アウグスティヌスの自由意志論 ――どうして人間は悪を犯してしまうのか?―― 第8回 悪の問題と弁神論(2)アウグスティヌスの自由意志論と原罪思想 ――人間は生まれた時から罪人なのか?―― 第9回 中間総括:自然科学と宗教の関係を考える。――ライプニッツ哲学を手がかりにして―― 第10回 カントの『実践理性批判』(1)純粋実践理性の存在証明 ――意志の自由はどのように証明できるのか?―― 第11回 カントの『実践理性批判』(2)道徳法則に対する尊敬の感情 ――道徳的に善い行為とは何か?―― 第12回 カントの『実践理性批判』(3)徳福一致としての最高善 ――道徳と幸福はどのように関係しているのか?―― 第13回 カントの『実践理性批判』(4)道徳は必然的に宗教に至る。 ――道徳的な人にふさわしい幸福とは何か?―― 第14回 カント倫理学とWhy be Moralの問題:なぜ我々は道徳から降りてはならないのか? 第15回 授業のまとめ (進め方) 作成したプリントに即して講義します。さらに、各授業の終わりにリアクションペーパーに感想・質問を書いてもらい、次の授業の冒頭でその一部に応答します。 |
実務経験を活かした 授業内容 (実務経験内容も含む) /Course content utilizing practical experience |
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授業時間外の学習 (予習・復習等) /Preparation and review outside class |
前回の授業の内容を配布資料や各自のノートを使って、復習しておくこと。また、後半期には課題図書(上記、教科書等を参照)を各自で読み進めて欲しい。授業の予復習になるだけでなく、期末レポートの準備にもなる。 |
成績評価方法 および評価基準 (最低達成基準を含む) /Evaluation and grading |
(評価方法) 平常点:リアクションペーパー 20% 期末レポート(計4000字程度) 80%:期末レポートの課題は、1.小論文(1500字程度)、2.課題図書(上記、教科書等を参照)の読書レポート(2500字程度)の二つである。採点基準は、(1)授業や課題図書の内容を正しく理解できているか、(2)授業や課題図書を手掛かりに、どれだけ興味深い倫理学的な議論を展開できているか、(3)論文として形式を満たしているか、の三点である。詳細は授業中に説明する。 (最低到達基準) a. 15回の授業のうち最低でも10回は出席していること。 b. 期末レポートの点数が6割を超えていること。なお、コピペが発覚した場合、レポートに点数は与えない。 |
オフィスアワー: 授業相談 /Office hours |
木曜日18:00-19:00。その他の時間に相談・質問があれば、メールでアポイントをとってください。 |
学生へのメッセージ /Message for students |
厄介なことに、西洋の哲学・倫理学はキリスト教的伝統の上に成り立っています。したがって、キリスト教の信者でないとしても、倫理学を学ぶ者にとって、神の問題は避けて通れません。倫理学において神がどのように扱われているのかを一緒に学んでいきましょう。 |
その他 /Others |
なし |
キーワード /Keyword(s) |
キリスト教、カント、自由意志論、神の存在証明、悪 |