シラバス参照 |
講義概要/Course Information |
科目基礎情報/General Information |
授業科目名 /Course title (Japanese) |
英米倫理学 | ||
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英文授業科目名 /Course title (English) |
Anglo-American Ethics | ||
科目番号 /Code |
HSS616z | ||
開講年度 /Academic year |
2020年度 | 開講年次 /Year offered |
3/4 |
開講学期 /Semester(s) offered |
後学期 | 開講コース・課程 /Faculty offering the course |
情報理工学域 |
授業の方法 /Teaching method |
講義 | 単位数 /Credits |
2 |
科目区分 /Category |
総合文化科目 | ||
開講学科・専攻 /Cluster/Department |
情報理工学域 | ||
担当教員名 /Lecturer(s) |
増山 浩人 | ||
居室 /Office |
東1-511 | ||
公開E-Mail |
masuyama.h@bunka.uec.ac.jp | ||
授業関連Webページ /Course website |
なし | ||
更新日 /Last updated |
2020/03/11 19:21:34 | 更新状況 /Update status |
公開中 /now open to public |
講義情報/Course Description |
主題および 達成目標 /Topic and goals |
(主題)英米倫理学の古典を読む。 イギリスとアメリカには感情や幸福を重視する倫理学の伝統がある。例えば、ハチスンやスミスの道徳感情論、ベンサムやミルの功利主義がこの伝統に属する。さらに、20世紀以降のイギリスとアメリカでは、道徳の本性を問うメタ倫理学について多くの著書・論文が著されてきた。本授業では、こうした英米倫理学の基本文献をセミナー形式で読み進めていく。最終的に、英米倫理学の基本文献の日本語訳を独力で読み、その内容について議論できる力を身につけることを目指す。 |
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前もって履修 しておくべき科目 /Prerequisites |
なし |
前もって履修しておくこ とが望ましい科目 /Recommended prerequisites and preparation |
ただし、「倫理学A」および「倫理学B」と本授業の内容には密接な関連があります。 |
教科書等 /Course textbooks and materials |
教科書:J.ミル『自由論』、斉藤悦則(訳)、光文社古典新訳文庫、2012年。 http://www.kotensinyaku.jp/books/book150.html 授業は教科書に基づいて進めるので、教科書は必ず購入し、2回目以降の授業に参加する際には持参してください。『自由論』の翻訳は他にもいくつかありますが、必ず上記の光文社版の訳を買ってください。その他の参考文献は授業中に適宜紹介します。 |
授業内容と その進め方 /Course outline and weekly schedule |
(授業内容)「ミルの自由論」 ミルの『自由論』(1859)をセミナー形式で輪読していきます。本書で扱われているのは、「社会において個々の成員にどこまで自由が認められるべきか?」という社会的自由の問題です。この問題に対して、ミルは「人に迷惑をかけさえしなければ、何をしてもよい」と答えています。この考え方は比較的ありふれた考え方に見えるかもしれません。しかし、ミルの『自由論』の意義は、この考え方を正当化するために、きわめて緻密な論証を展開している点にあります。 この授業では、ミルの『自由論』をゆっくり読み進めることで、ミルが思想の自由や行為の自由を論証するプロセスを見ていきます。このことによって、「人に迷惑をかけさえしなければ、何をしてもよい」という考え方をどこまで徹底することができるのか、改めて検討したいと思います。 第1回 ガイダンスとイントロダクション:『自由論』概説、授業の目的と進め方の説明、第1回アンケート(10~20分、人文学についての質問+作文「多数決について」) この回の授業では、授業の目的や進め方を説明します。さらに後半では授業に関連する簡単なアンケートに答えてもらいます。このアンケートを提出することが履修の条件になるので、第1回の授業には必ず出席してください。なお、受講希望者が25名を超えた場合は、このアンケートに基づいて受講者制限を行います。 第2回 輪読:『自由論』第1章「序論」(1) ――社会的自由の歴史―― 第3回 輪読:『自由論』第1章「序論」(2) ――「数の暴力」から個人の自由を守る「危害原理」―― 第4回~7回 輪読:『自由論』第2章「思想と言論の自由」 ――なぜ「言論の自由」が守られるべきなのか?―― 第8回~10回 輪読:『自由論』第3章「幸福の要素としての個性」 ――なぜ「行為の自由」が守られるべきなのか?―― 第11回~13回 輪読:『自由論』第4章「個人に対する社会の権威の限界」 ――どんな場合に「言論の自由」と「行為の自由」は制限されるべきなのか?―― 第13回~14回 輪読:『自由論』第5章「原理の適用」 ――「危害原理」に関するいくつかのケーススタディ―― 第15回 授業のまとめ ※上記のプランはあくまでも一つの目安です。セミナー形式で行う授業のため、授業の進度は受講者との議論の性質に大きく左右されます。予定より早く進んだ場合は『自由論』の関連論文を検討する時間を設ける一方で、予定より遅くしか進まなかった場合は『自由論』の中で比較的重要度の低い箇所の輪読を省略する予定です。 (進め方) 一回につき教科書を10~30頁程度ずつ読み進めていきます。まず、毎回指名した受講者に教科書の内容をレジュメにまとめて5~10分程度で発表してもらいます。次に、受講者の発表に対して担当教員が簡単なフィードバックを行います。その上で、受講者の発表をたたき台にして教科書の内容について参加者全員で議論していきたいと思います。 ※受講者数によっては授業の進め方を変える可能性があります。特に、受講者が少ない場合、受講者の代わりに、何回かは担当教員が教科書のレジュメ発表を行います。 |
実務経験を活かした 授業内容 (実務経験内容も含む) /Course content utilizing practical experience |
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授業時間外の学習 (予習・復習等) /Preparation and review outside class |
(予習) 発表当番の学生は、教科書の要約、疑問点、不明点をまとめたレジュメ(A4用紙1~2枚)を作成すること。当番にあたっていない学生にも意見や解釈を聞くので、参加者は必ず教科書を読んでおくこと。 (復習) 発表者のレジュメや授業でとったノートを見返しながら、授業で扱った教科書の箇所を読み直し、理解を深めること。 |
成績評価方法 および評価基準 (最低達成基準を含む) /Evaluation and grading |
(評価方法) 平常点:授業中での発表・議論への貢献 70% 期末レポート(2000字程度) 30%:詳しいテーマと書き方は授業中に説明する。 (最低達成基準) a.最低でも15回のうち12回以上の授業に積極的に参加していること。 b.第1回アンケート、期末レポートが受理されていること。 |
オフィスアワー: 授業相談 /Office hours |
木曜18:00-19:00。その他の時間に質問・相談がある場合はメールでアポイントメントを取ってください。 |
学生へのメッセージ /Message for students |
哲学・倫理学の古典を読むためには適切な訓練が必要です。とはいえ、ミルの『自由論』は、他の古典的な文献と比べると、あまり前提知識がなくても読むことができます。みんなで楽しく読み進めていきましょう。 |
その他 /Others |
セミナー形式の授業なので、受講希望者が25名を超えた場合は第1回アンケートに基づいて受講者制限を行います。受講希望者は第1回の授業には必ず出席してください。2回目以降からの履修は特別な事情がない限りは認めません。 |
キーワード /Keyword(s) |
英米倫理学、功利主義、メタ倫理学、ミル、道徳、幸福 |