シラバス参照 |
講義概要/Course Information |
科目基礎情報/General Information |
授業科目名 /Course title (Japanese) |
信号処理論 | ||
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英文授業科目名 /Course title (English) |
Signal Processing | ||
科目番号 /Code |
ELE504f ELE504g | ||
開講年度 /Academic year |
2020年度 | 開講年次 /Year offered |
3 |
開講学期 /Semester(s) offered |
前学期 | 開講コース・課程 /Faculty offering the course |
情報理工学域 |
授業の方法 /Teaching method |
講義 | 単位数 /Credits |
2 |
科目区分 /Category |
専門科目 | ||
開講学科・専攻 /Cluster/Department |
Ⅱ類 | ||
担当教員名 /Lecturer(s) |
高橋 弘太 | ||
居室 /Office |
西2ー627 | ||
公開E-Mail |
kota.t@uec.ac.jp | ||
授業関連Webページ /Course website |
http://www.it.cei.uec.ac.jp/page/kota/shiken2018A.html | ||
更新日 /Last updated |
2020/02/21 21:57:58 | 更新状況 /Update status |
公開中 /now open to public |
講義情報/Course Description |
主題および 達成目標 /Topic and goals |
話をしている人の前にマイクロホンを置いてみます.マイクロホンの出力電圧は,時間の関数としてx(t)と書けます.x(t)が信号です.x(t)を,アンプにつないでスピーカを駆動すれば,誰が何を喋っているか分かります.また,背後の道路騒音も聞こえるかもしれません.つまり,x(t)は,単なる関数とも見えますが,実はその中には,音声や騒音など,多数の情報が含まれているのです. さて,x(t) を機械に理解させることを考えましょう.このためには,x(t)に多種多様の変換を施す必要があります.歌っている人の音程を推定するには,それに適した変換があります.何を喋っているかを理解するためには,また別の変換(処理)を施さなければなりません.本講義では,これら色々な変換と,それを理解するための基礎理論について学びます.x(t)から道路騒音を消して音声だけを取り出したいということもあるでしょう.x(t)から音声だけを抽出したy(t)を作る,これは,フィルタリングという技術です.本講義ではフィルタリングについても学びます. 次に,道路騒音のほうについても考えてみましょう.道路騒音の波形x(t)は,測定のたびに波形がランダムに変わりますから,どのような波形であれば道路騒音であるかと規定することは難しいことです.しかし,人間がx(t)を聞けば,それが道路騒音らしいかどうかはすぐにわかります.つまり,ランダムとは言っても,道路騒音x(t)は,何らかの法則に支配されており,だからこそ人間の耳で道路騒音と判定できるのです.信号処理論では,道路騒音を確率的な信号として扱い,道路騒音波形を支配している確率法則を論じます.この分野を不規則信号論と言います,講義では,信号の変換を学んだ後,この不規則信号論についても学びます. 信号処理は工学におけるほとんど全ての分野で重要な技術ですし,新しい理論を考えるときの基礎としても不可欠です.本講義で,何の変哲もない関数x(t)から,いかに多くの情報を引き出せるかを学んで下さい. |
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前もって履修 しておくべき科目 /Prerequisites |
線形代数とフーリエ変換を理解していることが望ましい科目です.しかし,本講義は,必要な知識を復習しつつ進めるつもりですので,低学年での勉強を少しさぼってしまった人も,新たな気持で挑んで欲しいと思います. |
前もって履修しておくこ とが望ましい科目 /Recommended prerequisites and preparation |
応用数学A |
教科書等 /Course textbooks and materials |
各回の講義の開始時にプリントを配布し,プリントにそって講義を行ないます.しかし,ひとつの学問を修得しようとした場合,自分にとって最適と考えられる本を最低1冊(できれば2~3冊)は購入することをおすすめします.以下の参考書は推薦できますが,その他にも良書が沢山あるので,大きな書店へ行って,納得のいくまで吟味してみて下さい. 参考書:電子情報通信学会編・辻井重男監修『ディジタル信号処理の基礎』(コロナ社) 参考書:テレビジョン学会編・今井聖著『信号処理工学』(コロナ社) 参考書:三橋渉著『信号処理』(培風館) |
授業内容と その進め方 /Course outline and weekly schedule |
(a)内容 第0部 信号とは・信号処理とは [第1回] 第1部 確定信号(信号の変換手法) 1. フーリエ級数展開 [第2回前半] 2. 複素フーリエ級数展開 [第2回後半] 3. フーリエ変換 [第3回] 4. 線形シフト不変システム [第4回] 5. 帯域制限信号, 時間制限信号 [第5回] 6. サンプリング [第6回] 7. 離散フーリエ変換(DFT) [第7回前半] 8. 高速フーリエ変換(FFT) [第7回後半] 9. 離散時間でのフーリエ変換 [第8回] 10. z変換 [第9回] 11. ディジタルフィルタ [第10回前半] 12. ウインドウ [第10回後半] 第2部 不規則信号 1. 確率過程(Stochastic Process) [第11回前半] 2. 平均と相関関数 [第11回後半] 3. 不規則信号のパワースペクトル [第12回] 4. 線形システムの入出力関係 [第13回] 5. 重要な不規則信号 [第14回] 6. スペクトル推定法 [第15回] (b)進め方 プリントにそって講義を行ないます. (c)授業時間外の学習 講義が終わったら,該当する部分のプリントを読んで下さい.演習問題が数回出題されるので、家で解いてきて下さい. |
実務経験を活かした 授業内容 (実務経験内容も含む) /Course content utilizing practical experience |
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授業時間外の学習 (予習・復習等) /Preparation and review outside class |
プリントは記述量が多いので、授業前に読んでおくと理解が容易になります.信号処理は、理論や概念を理解するだけでなく、演習も重要ですので,出された課題は自力で解くことが重要です. |
成績評価方法 および評価基準 (最低達成基準を含む) /Evaluation and grading |
期末試験80%,レポート提出20%.(およその比率です) 試験は持ち込み不可です.最終講義で本試験の出題傾向を示すために模擬試験を実施するので,これには必ず出席して下さいなお,合格の最低基準は,信号処理の基本的な概念が理解できていて,かつ,信号処理に関する計算やプログラミングができることです.「サンプリング定理の意味や意義」,「信号や信号に対する処理を周波数の世界で論じなければならない理由」,「パワースペクトルを推定することの意義や具体的な方法」など,最も重要な概念について説明でき,かつフーリエ変換,z変換などの計算ができるようになることが最低限の達成基準です. 試験で間違った問題は何かを各人に個別に伝えるためと,評価の根拠を公平なものとするため,受講者全員について,試験の各問題での得点をWebで公開しています.もちろん個人名は特定できないように(かつ本人にだけはわかるように)公開します.授業関連Webページにあげたのは、昨年度の公表ページです。年度とコース名をかえれば,数年前まで遡って,全ての成績算出根拠と,模範解答つきの過去問を見ることができます.ぜひ活用して下さい. |
オフィスアワー: 授業相談 /Office hours |
短い質問は授業終了後にどうぞ.一方,ゆっくりと時間をとって質問をしたい人は,メイルで時間の問い合わせをして下さい.オフィスアワーとしては木曜4限としておきますが,週によって不在の場合もあるので,必ず事前にメイルで問い合わせて下さい. |
学生へのメッセージ /Message for students |
卒研の配属研究室によっては,本科目の履修が強く望まれますし,II類のP2,P3の場合、実験でも信号処理は必修ですので,履修することを強くすすめます. |
その他 /Others |
特に無し. |
キーワード /Keyword(s) |
フーリエ変換,線型シフト不変システム,帯域制限と時間制限,サンプリング定理,離散フーリエ変換(DFT),高速フーリエ変換(FFT),z変換,逆z変換,ディジタルフィルタ,極と零点,FIRフィルタ,IIRフィルタ,窓関数,率過程,自己相関,相互相関,パワースペクトル,ガウス性不規則信号,白色雑音,スペクトル推定法 |