シラバス参照 |
講義概要/Course Information |
科目基礎情報/General Information |
授業科目名 /Course title (Japanese) |
有機化学第一 | ||
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英文授業科目名 /Course title (English) |
Organic Chemistry Ⅰ | ||
科目番号 /Code |
CHM502p | ||
開講年度 /Academic year |
2020年度 | 開講年次 /Year offered |
3 |
開講学期 /Semester(s) offered |
前学期 | 開講コース・課程 /Faculty offering the course |
情報理工学域 |
授業の方法 /Teaching method |
講義 | 単位数 /Credits |
2 |
科目区分 /Category |
専門科目 | ||
開講学科・専攻 /Cluster/Department |
Ⅲ類 | ||
担当教員名 /Lecturer(s) |
瀧 真清 | ||
居室 /Office |
東6-821 | ||
公開E-Mail |
taki[at]pc.uec.ac.jp | ||
授業関連Webページ /Course website |
なし | ||
更新日 /Last updated |
2020/03/03 11:28:02 | 更新状況 /Update status |
公開中 /now open to public |
講義情報/Course Description |
主題および 達成目標 /Topic and goals |
【主題】「有機化学」は炭素化合物の化学である。「生命」を支える分子が有機化合物であり、この有機分子の『構造論』、『反応論』、『合成論』を学ぶ。その理解に基づき、生命が様々な有機化合物の機能によって成り立っているかを理解する。 【達成目標】本講義では、『構造論』と『反応論』の基礎を中心に学び、『合成論』に結び付ける。有機分子の構造を自由に書き、有機電子論の概念によって有機反応を自由自在に記述できるような基礎学力を身に付ける。 |
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前もって履修 しておくべき科目 /Prerequisites |
化学概論(分子構造、化学結合を考える上で必須) |
前もって履修しておくこ とが望ましい科目 /Recommended prerequisites and preparation |
化学熱力学 |
教科書等 /Course textbooks and materials |
教科書:「マクマリー 有機化学 生体反応へのアプローチ」、柴崎正勝ほか監訳(東京化学同人) *大学院講義まで使用します 参考書: (1) 「マクマリー有機化学(上、中、下の3分冊)第8版」(東京化学同人) (2) マクマリー以外のアメリカの化学者名が入った教科書(ボルハルト・ショアー、ジョーンズ、ソロモン、ストライトウィーザーなど) 特にオススメ!な参考URL: 有機って面白いよね! https://www.chem-station.com/yukitopics2.htm ケムステ(上記のポータルサイト) https://www.chem-station.com/ |
授業内容と その進め方 /Course outline and weekly schedule |
【授業内容】授業は教科書の1章から9章の内容に沿って進める。10章から18章の内容は「有機物質工学」に引き継ぎ、19章から25章は大学院科目「生物有機化学」で講義する。 1回目:分子構造と化学結合(原子軌道、オクテット則、共有結合、孤立電子対:sp3混成軌道とメタン) 2回目:アルケンとアルキンの構造(sp2混成軌道、sp混成軌道、分子軌道、シグマ結合とパイ結合) 3回目:(シクロ)アルカンとその立体化学(官能基の種類、構造異性体、エタンの立体配座、シクロヘキサンの立体配座、立体異性体) 4回目:反応の基礎:酸と塩基(電気陰性度、共鳴、巻き矢印) 5回目:反応の基礎:アルケンの反応機構(極性反応、求核試薬、求電子試薬、付加反応、反応速度と平衡、反応エネルギー図、発熱反応と吸熱反応、遷移状態、反応中間体) 6回目:アルケンの反応1(付加反応:マルコニコフ則、カルボカチオン、有機電子論) 7回目:アルケンの反応2(付加反応のアンチ付加・シン付加、還元反応) 8回目:アルケンの反応3(酸化反応、重合反応) 9回目:アルケンの反応4(脱離反応、共役ジエン、共鳴、アリルカチオン) 10回目:アルキンの反応(sp混成とアセチレン、アルキンの付加反応、アルキンの酸性度、アルキンのアルキル化) 11回目:芳香族化合物(ベンゼンの構造と反応性、芳香族性、求電子置換反応) 12回目:芳香族化合物の反応1(求電子置換反応の例) 13回目:芳香族化合物の反応2(求電子置換反応の置換基効果、活性化基と不活性化基、オルト・パラ配向性とメタ配向性) 14回目:立体化学1(キラリティー、鏡像異性体、キラリティーの種類、キラル中心と立体配置のR/S表示) 15回目:立体化学1(ジアステレオマー、反応とキラリティー、プロキラリティー) 【授業の進め方】分子構造や反応を理解し、身につけるには、手を動かして反応を書きながら勉強することが重要である。従って、自分で演習問題を解くと理解が深まる。講義の進行に合わせ、教科書の章末問題から宿題を課す。 |
実務経験を活かした 授業内容 (実務経験内容も含む) /Course content utilizing practical experience |
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授業時間外の学習 (予習・復習等) /Preparation and review outside class |
教科書には演習問題が豊富に盛り込まれている。授業の予習として教科書を読み、復習として演習問題を解き進めることを薦める。(パソコンではなく)アナログ的に手を動かして、反応機構を紙に書くことによってはじめて身に付く学問です。 |
成績評価方法 および評価基準 (最低達成基準を含む) /Evaluation and grading |
【評価方法】期末試験、授業内演習および宿題レポートで総合的に評価する。 *期末試験にはA4用紙1枚(裏表使用可)の直筆のレジメ持ち込み可能(試験の一部として提出していただきます)。[印刷物をコピーしたものや他人のレジメのコピーを持ち込んだ場合はカンニング行為とみなす。] 成績評価(100点)=(授業内演習 10点;宿題 10点;期末試験 80点) 【評価基準】(最低達成基準は下記の項目を70%以上満たしていること) (1) 混成軌道の概念と基本的な有機化合物(アルカン(メタンからシクロへキサンまで)、アルケン、アルキン、芳香族化合物)の分子構造が理解できていること。 (2) 酸-塩基(ブレンステッド、ルイス)および平衡と共鳴の違いが理解できていること。 (3) 有機化合物の基本的な反応(求核付加、求電子付加、求電子置換)の反応機構(中間体の存在、結合の生成と切断過程を電子対の動きで表現すること)が正しく書けること。 (4) 立体化学と立体異性体の概念が理解できていること。 (5) 簡単な有機化合物の合成経路が考案できること。 |
オフィスアワー: 授業相談 /Office hours |
質問等には適宜相談に応じますので、気軽に居室を訪ねて相談してください。 |
学生へのメッセージ /Message for students |
「有機化学」の学問体系は、分子の視点で物質の性質や反応性を考える力を養ってくれる。たくさんの化合物とその分子構造が登場する有機化学であるが、基礎となる有機反応理論、有機構造論は分子の性質、反応性を論理的かつ体系的に理解することを助けてくれる。基礎的な原理が理解できれば有機化学がどんどん面白くなるだろう。有機化学は断じて暗記の学問ではないので、基礎にはトコトン時間をかけて説明させていただきます。電気・電子材料などの身の回りの人工物から、生き物まで、この世のもの殆ど全てが有機化合物から出来ていることを考えると、きちんと理解しておいて損はありません! |
その他 /Others |
まずは有機化合物を描く構造式に慣れよう。構造式に慣れてくれば、見ただけでその化合物はどのような形、大きさなのか、分極しているのか、水溶性か、酸性か塩基性か、水素結合を作るか、どのような反応性があるかなど物理的・化学的性質が、直感的に一目で解るようになる。これが「分子の視点」である。 |
キーワード /Keyword(s) |
有機化学、有機構造論、有機反応論、有機合成論、共有結合,混成軌道、分子軌道、極性共有結合、σ結合,π結合、分子間力、異性体、アルカン,立体配座、シクロアルカン、アルケン,アルキン、求電子付加反応,求電子置換反応、立体異性体、立体配置、E/Z表示法、R/S表示法、キラリティ、光学異性体、ジアステレオマー,プロキラリティー |