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講義概要/Course Information |
科目基礎情報/General Information |
授業科目名 /Course title (Japanese) |
現代数学入門B | ||
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英文授業科目名 /Course title (English) |
Introduction to Modern Mathematics B | ||
科目番号 /Code |
MTH302z | ||
開講年度 /Academic year |
2023年度 | 開講年次 /Year offered |
2/3/4 |
開講学期 /Semester(s) offered |
前学期 | 開講コース・課程 /Faculty offering the course |
情報理工学域 |
授業の方法 /Teaching method |
講義 | 単位数 /Credits |
2 |
科目区分 /Category |
総合文化科目 | ||
開講類・専攻 /Cluster/Department |
情報理工学域 | ||
担当教員名 /Lecturer(s) |
大野 真裕 | ||
居室 /Office |
東1-411 | ||
公開E-mail |
masahiro-ohno@uec.ac.jp | ||
授業関連Webページ /Course website |
なし(WebClassに講義資料をおく) | ||
更新日 /Last update |
2023/03/15 14:29:03 | 更新状況 /Update status |
公開中 /now open to public |
講義情報/Course Description |
主題および 達成目標(2,000文字以内) /Themes and goals(up to 2,000 letters) |
主題:2次方程式には諸君も知ってのとおり解の公式がある.では3次方程式の解の公式はどういう式だろうか?4次方程式の解の公式はどういう式だろうか?これらの公式は,16世紀に,3次,4次と発見されていった.18世紀後半には,n次方程式は必ず解をもつこともわかってきた.しかし,その時点でも,5次方程式の「解の公式」はできなかった.その後,19世紀前半に,驚くべきことに,5次以上の一般の方程式は,いわゆる「解の公式」が存在しないことが証明された.本講義では,方程式のべき根解法の探求をとおして,群,環,体,群の作用という代数学の基本的概念の重要性を学ぶ. 達成目標:べき根で解けるかどうかを調べるのに,解の公式そのものを精確に書き下そうとすると厳しくなる.少し視点を変えて,原理的には求まるという視点が大切になる.そのとき,根の式の対称性に注目し,群や体などの集合を扱うことがポイントとなる.この視点の変化を体験し,本格的に群,環,体などの一般論を勉強してみたいと思うようになるのが目標である. |
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前もって履修 しておくべき科目(1,000文字以内) /Prerequisites(up to 1,000 letters) |
線形代数学第一,線形代数学第二 |
前もって履修しておくこ とが望ましい科目(1,000文字以内) /Recommended prerequisites and preparation(up to 1,000 letters) |
数学演習第一,数学演習第二,微分積分学第一,微分積分学第二 |
教科書等(1,000文字以内) /Course textbooks and materials(up to 1,000 letters) |
参考書: 梶原健「本質を学ぶガロワ理論最短コース」 高木貞治「代数学講義」第5,6,7章 原田耕一郎「群の発見」第2,3,4章 |
授業内容と その進め方(2,000文字以内) /Course outline and weekly schedule(up to 2,000 letters) |
(a)授業内容 第1回:根と係数の関係,基本対称式,対称式の基本定理,基本対称式の式に直す方法 第2回:3次方程式の解法,3次方程式の分解方程式の解の対称性,直積集合,対応,対応のグラフ,写像,写像のグラフ 第3回:n次対称群,置換,置換の積,恒等置換(単位置換),逆置換,長さrの巡回置換,互換,群,結合法則,単位元,逆元,群の集合への作用,部分群,固定化群 第4回:軌道,集合の濃度,群の位数,可換群,アーベル群,加法群,加群,和,零元,乗法群, 第5回:部分群を法とした左(右)合同,関係,同値関係,同値類,同値類の代表元,同値関係による商集合,同値関係の完全代表系,同値類別,左(右)剰余類,剰余類,左(右)剰余類集合,左(右)剰余類分解,部分群の指数,部分群の位数に関するLagrangeの定理 第6回:可換環,体,有理数体,複素数体,多項式環,有理関数体,部分体と拡大体,元を添加して得られる体,可換環の準同型写像,体の自己同型 第7回:(一般の)3次方程式の解法と根の対称性(再訪),方程式論のLagrangeの定理 第8回:重根を持たない多項式の原始根,ユークリッドの互除法を使った原始元の存在証明,無限体 第9回:一般の4次方程式に対する方程式論のLagrangeの定理の繰り返し適用による求解,クラインの四元群,一般の4次方程式の場合のガロア対応(の一部) 第10回:体K上既約な多項式,体K上共役な根,共役な部分群,正規部分群 第11回:群の準同型と同型,群の準同型の像と核,巡回群と生成元, 第12回:剰余群,群の準同型定理,置換の符号,偶置換,奇置換,n次交代群 第13回:方程式のガロア群,有限群,一般の方程式,ガロアの方程式論,単純群, 第14回:群の組成列,組成因子,可解群,Lagrangeの分解式, 第15回:まとめと復習,または定期試験とその解説 (b) 授業の進め方 WebClassで事前に講義ノートを配布する.各自,その回のノートを事前に読んで対面講義に出席し,疑問点等を講義時間に質問して理解を深めていく.質問を受け付け,それに答えることを主としたいが,受講生の様子を見ながら,例えば前半部分を講義・解説することも考えている. |
実務経験を活かした 授業内容 (実務経験内容も含む) /Course content utilizing practical experience |
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授業時間外の学習 (予習・復習等)(1,000文字以内) /Preparation and review outside class(up to 1,000 letters) |
講義ノートを読んで,予習することに重点をおいてください.そのうえで,わからないところがあれば質問することも大事です.さらには,定着をはかるためには,折に触れ,復習することも大事です. |
成績評価方法 および評価基準 (最低達成基準を含む) (1,000文字以内) /Evaluation and grading (up to 1,000 letters) |
(a) 評価方法 対面の期末試験とレポートの提出状況と出来で評価する. (b) 評価基準 固定部分群を求めることができる,軌道を求めることができる,簡単な代数系の証明がかける, 群,環,体などの基本的代数系を識別できる,各種概念の定義を書いたり対象を識別できる, 写像がWell-definedであることの証明が書けることなどを合格の基準とする. |
オフィスアワー: 授業相談(1,000文字以内) /Office hours(up to 1,000 letters) |
随時受け付ける. |
学生へのメッセージ(1,000文字以内) /Message for students(up to 1,000 letters) |
なし |
その他 /Others |
なし |
キーワード /Keywords |
群,n次対称群,置換群,環,体,有理関数体,群の作用,軌道,部分群,固定部分群,部分体,固定部分体,拡大体,添加による拡大,ガロワ対応 |