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講義概要/Course Information |
科目基礎情報/General Information |
授業科目名 /Course title (Japanese) |
英米倫理学 | ||
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英文授業科目名 /Course title (English) |
Anglo-American Ethics | ||
科目番号 /Code |
HSS609z | ||
開講年度 /Academic year |
2025年度 | 開講年次 /Year offered |
3/4 |
開講学期 /Semester(s) offered |
後学期 | 開講コース・課程 /Faculty offering the course |
情報理工学域 |
授業の方法 /Teaching method |
講義 | 単位数 /Credits |
2 |
科目区分 /Category |
総合文化科目 | ||
開講類・専攻 /Cluster/Department |
情報理工学域 | ||
担当教員名 /Lecturer(s) |
中山 弘太郎 | ||
居室 /Office |
A棟402 | ||
公開E-mail |
remember.fdd@keio.jp | ||
授業関連Webページ /Course website |
なし | ||
更新日 /Last update |
2025/03/09 21:22:53 | 更新状況 /Update status |
公開中 /now open to public |
講義情報/Course Description |
主題および 達成目標(2,000文字以内) /Themes and goals(up to 2,000 letters) |
(主題)マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』の講読。 マイケル・サンデルは現代アメリカを代表とする政治哲学者のひとりであり、日本でも「ハーバード白熱教室」や『これからの「正義」の話をしよう』をきっかけに広く知られることになりました。この本における、現代から古代へと哲学史を遡りつつ、「共通善の政治」の基礎を組み上げていくサンデルの手法からは今なお多くのことを学ぶことができます。 この授業ではセミナー形式で『これからの「正義」の話をしよう』を輪読していきます。哲学書をそもそもどう読んだらいいのかというインプットのスキルから、哲学書をどのように整理してノートを作り、自分の議論に活用すればいいのかというアウトプットのスキルまで、少人数セミナー形式のメリットを活かして丁寧に学ぶことができます。「正義論」という政治哲学の中心トピックに焦点を当てて、道徳の原理とあるべき社会の姿の関係について一緒に考えていきましょう。 (達成目標) (1)倫理学、政治哲学の基本理論に関して、適切に説明し、具体的な議論の中で応用する方法を身につけること。 (2)共通善と美徳をめぐるサンデルの思想を理解した上で、道徳の原理とあるべき社会についての自分の意見を説得的に構成できるようになること。 (3)倫理学の古典を分析的に読むための基本的な手法を習得すること。 (4)倫理学のトピックについて他者と議論できるようになること。 |
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前もって履修 しておくべき科目(1,000文字以内) /Prerequisites(up to 1,000 letters) |
なし |
前もって履修しておくこ とが望ましい科目(1,000文字以内) /Recommended prerequisites and preparation(up to 1,000 letters) |
なし。ただし、「倫理学A」および「倫理学B」と本授業の内容には密接な関連があります。 |
教科書等(1,000文字以内) /Course textbooks and materials(up to 1,000 letters) |
マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』 https://amzn.asia/d/emb89xP 授業は教科書に基づいて進めるので、教科書は必ず購入し、二回目以降の授業に参加する際には持参すること。 |
授業内容と その進め方(2,000文字以内) /Course outline and weekly schedule(up to 2,000 letters) |
(授業内容) この授業では『これからの「正義」の話をしよう』をセミナー形式で一緒に読み進めていくことを通じて、サンデルによる論証を丁寧に再構成し、分析していきます。こうした分析的な読解を通じて、正義に関する基本理論と社会の間の関係を理解するだけではなく、さらにその背景にあるサンデルのより広範な倫理思想を把握することを目指します。具体的な授業の内容は以下のとおりです。 【第1回】 ガイダンスとイントロダクション :『これからの「正義」の話をしよう』第1章「正しいことをする」 【第2回】 輪読:『これからの「正義」の話をしよう』第2章 ――「最大幸福原理――功利主義」① 【第3回】 輪読:『これからの「正義」の話をしよう』第2章 ――「最大幸福原理――功利主義」② 【第4回】 輪読:『これからの「正義」の話をしよう』第3章 ――「私は私のものか?――リバタリアニズム(自由至上主義)」 【第5回】 輪読:『これからの「正義」の話をしよう』第4章 ――「雇われ助っ人――市場と道徳」① 【第6回】 輪読:『これからの「正義」の話をしよう』第4章 ――「雇われ助っ人――市場と道徳」② 【第7回】 輪読:『これからの「正義」の話をしよう』第5章 ――「重要なのは動機――イマヌエル・カント」 【第8回】 輪読:『これからの「正義」の話をしよう』第6章 ――「平等の擁護――ジョン・ロールズ」① 【第9回】 輪読:『これからの「正義」の話をしよう』第6章 ――「平等の擁護――ジョン・ロールズ」② 【第10回】 輪読:『これからの「正義」の話をしよう』第7章 ――「アファーマティブ・アクションをめぐる論争」 【第11回】 輪読:『これからの「正義」の話をしよう』第8章 ――「誰が何に値するか?――アリストテレス」① 【第12回】 輪読:『これからの「正義」の話をしよう』第8章 ――「誰が何に値するか?――アリストテレス」② 【第13回】 輪読:『これからの「正義」の話をしよう』第9章 ――「たがいに負うものは何か?――忠誠のジレンマ」① 【第14回】 輪読:『これからの「正義」の話をしよう』第9章 ――「たがいに負うものは何か?――忠誠のジレンマ」② 【第15回】 輪読:『これからの「正義」の話をしよう』第10章 ――「正義と共通善」 ※セミナー形式で行う授業のため、授業の進度は受講者との議論の性質に大きく左右されます。上記のプランはあくまでも一つの目安です。予定より早く進んだ場合、サンデルの他の論文や著作の一部を読む予定です。 (進め方) 1回につき教科書を20~40頁程度ずつ読み進めていきます。毎回指名した受講者に教科書の内容をレジュメにまとめて発表してもらいます。次に、受講者の発表に対して担当教員が簡単なフィードバックを行います。その上で、事前に集めた受講者の質問に答えながら教科書の内容について参加者全員で議論していきます。 ※受講者数によっては授業の進め方を変える可能性があります。受講者が少ない場合、担当教員も何回かレジュメ発表をする可能性があります。受講人数が多い場合、レジュメ当番を設定せずに、担当教員の解説と参加者全体の議論のみで授業を進める可能性があります。 |
実務経験を活かした 授業内容 (実務経験内容も含む) /Course content utilizing practical experience |
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授業時間外の学習 (予習・復習等)(1,000文字以内) /Preparation and review outside class(up to 1,000 letters) |
(予習) 教科書を読み、毎回の事前課題を作成・提出すること。発表当番の事前課題は、教科書の内容を要約したレジュメ(A4用紙数頁)の作成である。それ以外の受講者には、教科書の内容に関する質問・疑問点・論点を書いたコメントの提出を適宜課す。 (復習) 発表者のレジュメや授業でとったノートを見返しながら、授業で扱った教科書の箇所を読み直し、理解を深めること。 |
成績評価方法 および評価基準 (最低達成基準を含む) (1,000文字以内) /Evaluation and grading (up to 1,000 letters) |
(評価方法) 平常点:授業中での発表・議論への貢献 60% 期末レポート(2000~2500字程度) 40%:詳しいテーマと書き方は授業中に説明する。 (最低達成基準) a.最低でも15回のうち12回以上の授業に積極的に参加していること。 b.期末レポートの点数が6割を超えていること。 |
オフィスアワー: 授業相談(1,000文字以内) /Office hours(up to 1,000 letters) |
質問・相談等は授業後、もしくは電子メールで受け付ける。 |
学生へのメッセージ(1,000文字以内) /Message for students(up to 1,000 letters) |
この授業ではサンデルの最も有名な著作を通じて倫理学、政治哲学の基本概念を扱うための実践的なトレーニングを行うとともに、自力で哲学書を読み解いていくための勉強法の習得を目指していきます。哲学書を読んでみたいとは思うものの、読み方がわからないひとや、哲学の歴史を活用しながら説得的な議論を展開できるようになりたいというひとは、ぜひ参加してみてください。半期の授業が終わるころには、ひとりで哲学書の内容を整理して、他人に説明するための基本スキルが身についていることでしょう。 |
その他 /Others |
セミナー形式の授業なので、受講希望者が一定数(15~20名程度)を超えた場合は抽選で受講者制限を行います。受講希望者は第1回の授業には必ず出席してください。2回目以降からの履修は特別な事情がない限りは認めません。 |
キーワード /Keywords |
サンデル、コミュニタリアニズム、正義論、政治哲学、倫理学 |